第二犯 突然現れた悪魔(後編

◇視点が変わります。小説って普通は視点コロコロ変えちゃいけないな。ヤバイぞ! てなわけで本編どうぞ!


 久しぶりの外! いい天気だ! 在宅勤務で3日間出なかったけど、空ってこんなに青いんだなぁ......さてと、鈍った身体を鍛え直しに行くか!


 なんだ? 若い男の人が涙を撒き散らしながら走ってくる? なんか怖い......


「助けてくれぇぇぇ! みんな殺されるううううう!」


 なんだったんだ? 今の? なんで慌てているんだ? それに......殺される? 大丈夫か? 今の人?


「あのぉ〜。すみません!」


 ん? 誰だろ?


「はいはい。いったいどうされましたか?」


「いやぁ〜。交番の場所を教えてもらいたいのですが......」


「え? 交番ですか?」


「そうなんです! ちょっと用事がありましてね! さっきも......若い男性に道を聞こうとしたのですが、何故かわかりませんが......逃げてしまって......」


「へ〜なんででしょうね......あ!?」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

    指名手配


 交番に行きたい男の写真


   宮原剛二郎

    報奨金

    1000万

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ああああああああ!? 同じ顔ぉおおおおおお!? そうか......そういうことだったのか! これを見たからこそ......さっきの人は......あんなに慌てて......


 てかっ! 報奨金1000万って! いったいどんな犯罪を犯せば......こんな値段が付くんだ? 大量殺人鬼か? 軽く1万人くらい殺しているんじゃないか?


「あのぉ......すみません......道を聞きたいのですが」


「え......えっと......なんでしたっけ? 道?」


「そうですよ! 交番までの道を教えてもらえませんか?」


 え? 交番!? どういうことだ!? え? 報奨金1000万もつけられるような大犯罪者だぞ!? そんなもんが交番に行った瞬間、即逮捕だろ!? 自首? 自首するのか!? 今まで自分が犯してきた罪を......償う気になったとか?


 いや......待て......そんなことあるか? こいつクラスの犯罪者になれば、確実に死刑になる! そうだ! 死ぬことが分かっていて自首するのか!?


 ならこいつはなんなんだ? なんで交番に行こうとしている? 目的は? 目的がわからない。た、試しに聞いてみるか!


「あの......交番にどんな用事で行くんですか? いや! ちょっと気になっただけですよ! ちょっと!」


「え? ちょっとした用事ですよ。ヒヒッ」


 絶対に何か企んでやがるぞ! 自首する顔じゃねぇ! もっと報奨金を上げるつもりだな! これはヤバイぞ!


 なんだ? 犯罪者が......交番に行って......どんな特がある? ダメだ......わかんねぇ......わかんねぇよぉ......なにをするんだ?


 あ......まさか......交番にいる警官も......こいつの犯罪に加担しているとか!? そんなことあるのか? いや......ないな! 無いと思いたい! ダメだ! ますますわからなくなってきた。いったいこいつはなんなんだ?


「で、あのぉ......交番ってどこなんでしょうか? なるべく早く交番に行きたいので......お願いします! 教えてください! 困っているんです!」


 いやいや......困ってるの私の方だから! 犯罪者に道を聞かれるって......しかも交番だよ!? 一体どうすればいいんだよ! これ、どうなってんだ!? 私の人生、もう二度こんな冗談みたいな状況はないぞ!


「あのぉ......結局、交番はどこなんでしょうか......」


「う、うるせぇ! 犯罪者が! 手配書前にして交番の場所を聞くんじゃねぇ!」


 にっ逃げろぉぉぉ!


「あっ! こんなところに。ち、違うんだぁぁぁ! 待ってくれ! 頼む! 交番の場所を教えてくれぇぇぇ!」


 ちくしょう! 一体どうなってやがるんだ! こんな体験、二度とゴメンだ!

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