第10巻〜New world〜

プロローグ




『七つの死に至る罪』



 それは罪というレッテルを貼られながらも、人間なら誰しもが持つ根源的性質。


 皆理解しているのだ。


 もし、この原罪を少しでも解放してしまえば、そこに秩序は無くなり、作り上げた社会は崩壊する。


 だから我々は『自分』に理性で蓋をし、法で縛った。


 人を人たらしめる『罪』を捨て、『人』であろうとした。


 どこにいるとも知れない神が、いつか我々を救ってくれる……その時まで。



 そして『罪』が生まれ1700年と少し、確かに神は現れた。



 救済などではなく、試練と共に。



 当然だ。


 なぜ救われると思ったのか?


 なぜ許される思ったのか?





 黄金の林檎を食べたあの時から、我々の身は『罪』で出来ている。





 すがるな。


 乞うな。


 願うな。



 ただ、





 ――戦え。



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