終章〜また会う日まで〜

最高の相棒




「どうよノエル?」


「ん。似合う。ノエルは?」


「バチくそ似合ってるぜ」


「んっ」


「そーいや上陸したらどっち進めば良いんだ?」


「んー、ノエルあっちがいい」


「おけ」


「マサ、」


「ん?」


 ノエルが自分の白いジャケットを脱ぎ、東条に渡す。


 そうだった。このために大きさを同じにしてもらったんだった。


「おう」


 東条は黒のジャケットを脱ぎ、ノエルに渡した。


 1番初めの、あの頃のように。


「また1から出発だ」


「……マサ」


「おう!」


「お腹減った」


「自由かお前」







 鼻孔を撫でるのは夕日に濡れた海の味。



 耳を通り抜けるのは吹き抜ける寒風の色。



 舌に薫るのは新大陸の大地が紡ぐ猛々しさ。



 肌を刺激するのは穏やかな波の静けさ。



 目に映るのは、純白の髪を靡かせる最高の相棒。







 まだ見ぬ冒険を求め、彼らは大地を踏み締める。




 series1 日本編〜fin~

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