第7話 冒険者ギルド
再起動を果たした僕は、顔を少し赤くしながら
「冒険者登録に来ました。あと、持っている素材の買い取りをお願いします」と小さな声で答えた。
「分かりました。私は、冒険者さんのサポート担当のエミリーと言います。よろしくお願いしますね。あなたのお名前と年齢及び出身地名をお聞かせ願いますか?」
「真之介、15歳、唐間です」と答える。
「シンノスケさん15歳ですね。出身地はカラマですか。ありがとうございます。次にこちらの水晶球に両手をかざしてください。」とこの町に入った時と同じ水晶玉を出してきた。
両手をかざすと水晶玉が光り、玉の中に雲のような渦巻きが見える。
光が収まるとエミリーさんの前にある箱から細長い紙が出て来た。エミリーさんが紙を見て伝えてくれる。
「記述は次のようになります。シンノスケ 15歳 職業は武術士 能力は武術全般、魔術特性はアベレージワン?私長くサポートしていますが初めて見ました凄いですね。」と興奮気味に顔を上げこちらに羨望の眼差しを向けてくる。頬に少し朱が差している。
すぐにはっと元に戻り、コホンと咳払いをして紙に目を戻し
「失礼しました、続けますね。魔力量は8段階中の5段、魔力操作技術力は8段階中の1?」なぜか言葉尻が上がるが、今度はそのまま説明を続けてくる。
「冒険者に初めての登録時の階級は7段階ある中の最低ランクのFになります。クエストをこなしてポイントを貯めてください。功績や技量が認められれば上のランクに上がるシステムになっています。大まかにはこんな感じです何かご質問はありますか?」
魔力に関するところが全く解らない事を素直に話すとアベレージワンとは魔力には属性があり、それぞれ火、水、地、風、の4つの基本属性に空の属性を加えすべてを有するものをアベレージワンと呼ぶらしい。
魔力量は、魔法を使える量のことで一般的な人で3、魔法を生業にしている人は4以上が必要だとかで僕は魔法を生業にしている人の平均ぐらいだとかで問題は、魔力操作技術力は魔法が使えるかどうか解らない子どもと同程度つまり、魔力がソコソコあり適性もあるにもかかわらず魔法が使えないとのことと教えてくれた。
「では、身分証とギルドカードの統合を行いますので身分証をいただいてもよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」と身分証を首から外してエミリーさんに手渡した。
エミリーさんは、身分証を鎖から外し何かのプレートに重ねて石版に挟んだ。しばらくして石版から取り出した身分証は一回り大きくなり金の縁がついたプレートへと変わっていた。
「はいこれで、冒険者登録が無事終了しました。冒険者特典で大銅貨3枚を支払うと永滞権が取れますがどうしますか?」
しばらく居るつもりだったし大銅貨3枚を小袋から取り出し支払った。
エミリーさんは、再び身分証であるタグを箱に差し込みなにやら記録している。記録が終わると身分証に鎖を通してから返してくれながら、「永滞権の記録もすみました。身分証と冒険者証の併用IDタグとなりましたので、ギルドでの売買の時に提示してください」と声をかけてくれる。
「あと、素材の買い取りですがカウンターの左手の大きな窓口でお願いしますね。本日はご登録ありがとうございました。ご活躍をお祈りします」
「ありがとうございました」
礼を言ってカウンターを離れると買い取り用の窓口へと向った。
「素材の買い取りをお願いします」と大きな窓口の奥に声をかけると背の低いずんぐりとしたひげを蓄えたおじさんが出て来た。
「素材は何処だ?」
「この魔法袋の中です」と背にしていた袋をカウンターに置く
すると布製ホースの先に巾着の口がついたような物を取り出す。ホースの先はカウンターの奥に消えている。
首をかしげると「魔法袋の口をこいつに合わせて素材を思い浮かべろ、素材が裏に行くのでそこで鑑定だ。鑑定できたら左の窓口でこいつと交換だ」と番号の書かれた木札を渡してきた。
魔法袋の口を合わせ、素材を思い浮かべる・・・魔物3匹に薬草50株ほどで良いかなと思うとずるりと素材が移動する感触が手に伝わる感触はちょっと気色悪かった。
素材を渡してから近くのテーブルのひとつに腰掛けてしばらくすると換金所の窓口から声が掛かる。
窓口には鷲鼻の小男がいた。ワイシャツをきっちり着込んでいるが口には牙が並んでいる。目はつり上がり神経質そうで怖い風に感じた。
木札とIDタグを渡すと、鷲鼻の小男が機械にIDタグを通して記録を読み取る、すぐに返しながら。
「鑑定が出来たよ、でもうまくやったもんだね。素材は誰かに貰ったのかい?魔物はオークキング1体が500万にオーク兵2体だが1体は頭がないから少し値が下がるが併せて380万。ヘコモア草が50株で100万になる併せて980万Luだ。でどうする?」キシシと笑いながら聞いてくる。
魔物の種類が判った、大きいやつがオークキングに小さいやつがオークか!結構強い部類に入るのかな。
まあこの身なりじゃとても狩れるとは思わないだろう、せいぜい高ランクの冒険者のお使いぐらいにしか見えないな。素直に「すべて僕が取った物です」ときっぱり言うとヒューと口笛をふいて。
「結構な額になったから、ギルドに預ける額や持って帰る額を聞いたのさ。まさか全額持って帰るんじゃないよな?」
「ああ、全額持って帰るよ。買いたい物もあるし」
知らないぞという顔をして金貨9枚、大銀貨7枚 銀貨10枚とバランス良く出してくれたので、すぐに小袋にしまった。
ありがとねと礼を言ってカウンターから離れ武器を取り扱う商店へ向うべく出口に向う。
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