奥様必見! パパ上の特殊能力
「あんた、何を出してるのよ」
そんなことを風呂から出た私に言うのは、私の妻であるボナンザことティモシーだ。
さて、少し話をぱんなこったすると、
妻のあだ名は、ネットで調べると出てくる方々とはまったく関係ない思いつきのあだ名なので調べてもなにもなかったりする。あえて言うなら『ティモシー』のほうは昔あった超有名ゲーム『アークザラッド』に出てくる、チョンガラというキャラの召喚獣に『ヘモジー』ってのがいるが、多分これを変換したものなんではないかと思われる。何分、妻と出会って付き合い出して結婚して。しばらくしたらもうそう呼んでいたので、なぜそんな呼び方になったのか定かではない。
ちなみに、妻がヘモジーと似ているからではないと、断言しておこう。断言しないと多分ポークビッツを噛みちぎられるかもしれないから。
せめてポークビッツをアルトバイエルンまで昇華できるまでは……(謎
う、うわぁ、なにをするー
しっかし。
ヘモジー⇨ティモシー……。見た目もそうだが、言葉そのものもあまり似てない気もするのだが、何を思ってそう言い出したのか、謎である。
※普段必ずそう呼んでいるわけではありません。時折呼ぶ程度です。
さて、話を
はて。
何を出しているのかと問われれば、それは勿論、風呂上がり、しかもまさに今風呂場から出たところでちょうど洗濯機の上に置いてあるバスタオルを取ろうとしていた水も滴るぱんなこったなのだから、そりゃ出していると言われればポークビッツくらいしかないだろうに。
「何をって言われても、な……」
これからバスタオルで体を拭いた後はバスローブに身を包んでワイングラス片手にグラスを揺らしながら中にたっぷりと入ったオレンジジュースを優雅にマルチリクライニングコンパクトソファハイバックタイプに座って飲む予定なのに、何を言われているのか、私にはわからなかった。
……あれ? バスローブはどこに?
ああ、元からバスローブなんかないわ。よし裸でいこう。
……あれ? ワイングラスはどこに?
ああ、ワイングラスは結婚式のときのはあるけど、オレンジジュースがないわ。つーか、ワイングラス片手に何入れようにも、私はお酒が飲めないうら若き乙女だ。
……あれ? マルチリクライニングコンパクトソファハイバックタイプの座椅子はどこに?
ああ、あれは買いたいと思ってたやつだ。あの座椅子、ふわっと沈み込む感じで包み込まれる感じがとってもいいソファだった。でも、あれに座ってワイングラス持って飲もうとしたらこぼしそうな気もする。てーか、あれたっけぇしこぼしてシミ作って正座で怒られるパターンだ。そもそも置く場所もないしバスローブもないから裸で正座だ。
……うむ! 望むところだっ!
とかなんとか。
バスタオル片手にぽたぽたと落ちる水滴の音だけだが脱衣所に響く――なんてこともなく。ただただ夏とは言え寒いだけだったりする。
はて。
では、なんなのか。ポークビッツでないならなんだろうかと考えるしかない。
「これよこれ」
そう言うとティモシーは、私にずばっとなにかを見せる。
それは私のTシャツだ。
普通の、私のTシャツだ。
つい一ヶ月前に買ったユニクロのTシャツだ。
ほんっとうに、なんの変哲もないふっつぅのTシャツだ。
それを見させられた裸の私の気持ちにもなってほしい。
裸だ。すでに私の風呂場で温まった体はゆっくりと冷えていっている。
つ〜かそろそろ裸を捨てて、服を着るべきか?
……あれ?
私の服……
ああ、そういや持ってきてないわ。
ってことは私は最初から裸で行こうとしていたんだな。
……望むところだっ!
でもそう思うと、今妻が私に見せつけているその服は、恐らくは私を裸で家内を闊歩させないための『服を着させる』という策略だろう。
私に服を着させようとするとはいい度胸だ。
望むところだっ!
「裸でいさせてください、思う存分私に裸を堪能させてください」と、思う存分土下座して謝ってくれるわっ!
すっと地面に膝をついて土下座のスタイルをつこうとしたところで、妻が言う。
「この、一ヶ月前に買った服! 色落ちしてるのよっ!」
「……は?」
「みんなの他の服と一緒に洗ってるのに、色落ちなんてしないのにっ! なんでかあんたが着ている服だけ色落ちするのよっ!」
「いや、それ……普通に色落ちするタイプの服だったとか……?」
「安物といいたいかっ!」
「いや、安物だろ?」
「噛むよっ!」
おかしいおかしい。
なんで怒られている? 私の体を包む服を持ってきたのではないのか!?
「私も同じタイプの服持ってるのに色落ちしないのよっ!」
「……うむ?」
「なのに、あんたの服だけ色落ちする! 見なさいここをっ!」
ずいっと、ちょうど腋の辺りを見せてくる妻。
よく見なくても、普通に分かるほどに色落ちしている。
その、腋の辺りだけが、だ。
「……そう言えば」
私の腋から出る汗。
昔ふと思ったことがあるのだが、会社に着ていくYシャツの腋の辺りに黄色い色素がついてしまうことがあった。
汗に色がつくなんてことは聞いたことがないのだが、そんな色がついたYシャツは捨てたので今はない。
結構レアな出来事だったのだが、ふとそんなことを思い出した。
「絶対あれだよ! あんたの腋の成分!」
どうやら妻も同じことを思い出していたようだ。
そして私の腋の汗は――
「あんたの腋成分! 服を色褪せさせるのよ! 絶対そう! どんな成分配合なのよっ! なんの特殊能力! そんな能力どこで使うの!? スライムかあんたは!」
……しらんがなっ!
なんだか、いつもなら裸のままの私だが、今この瞬間だけは服を着てやろうかと思う瞬間だった。
−−−−−−−−−−−
ってなわけで。
男性の腋の汗。どうやらスライムのように衣服の色を溶かすようですよ。
皆さんも旦那の腋にはお気をつけを。
旦那の腋から溢れ出る煮汁。それはすべてを溶かし尽くす
なお、スライムですが、ドラクエなどのゲームでものごっつ弱いモンスターとして扱われることが多いですが、実際は最強の生物であるのは間違いないです。
あれに襲われたら、ぜひ逃げることをオススメします。
……逃げることができたら、ですが。
あれは最強の暗殺者であり、捕食者であり。
本来であれば不死の生物ですからね。
そういう意味で、
だから面白いのかもしれないですね。
そう言えばそう言えば。
このカクヨムで結構昔に呼んだスライムの作品があったなぁって思い出しました。
■作者名
水縹F42様
https://kakuyomu.jp/users/Mihanada_F-42
■作品名
ぐだぐだダンジョンダイアリー
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886715397
超強いスライムがダンジョン作って世界の仕組みさえも崩して敵対勢力をぶっ潰してのんびりまったり過ごす話ですね。
読み専時代に見つけた作者様だった気がしますが、
■作品名
女神のエルフは旅をする
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883320801
こちらの作品をきっかけに他の作品も読ませていただいた記憶があります。
これはこれでTS転生モノとして面白かったなぁと思いつつ、ただし、続きはもうかかれないだろうなぁと思うと残念ではあります。
ではでは。
ちょろっとスコップしつつ。
にんにんからの〜
今日もぱんなこった教の祝福をまろたりっさしつつの〜
どろんっ☆
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