最近気づいたこと
「あのね、ボクね。子猫がほしいにゃ~」
なんて、可愛らしく子猫のようにじゃれつく娘の髪の毛を梳きながら思う。
かぷかぷと甘噛みされる腕が若干よだれでしっとりするのは頂けない。
ああ、猫欲しかったよな。
あんなことがなければ……
※非公開したお話で、猫を飼った話が書いてありました。
「ボク、子猫がダメなら小鳥さんがほしいにゃ~」
いや、お前さんが猫だろ。猫が小鳥飼ったら漏れなく
……はっ。このよだれまみれの腕。その小鳥を食べることを想像して出たものじゃなかろうな!?
「あ~……私も小鳥ならなんとか……」
「うん。だ~ま~れ~?」
嫁も娘と同じように猫ロスをしており、ペットをどうしても欲しいといい始める始末。
何か知らんけど、嫁は嫁でペットロスしている風(?)を装いながら私の二の腕を思いっきり噛もうとして、私にその二の腕で首を押さえつけられ「ぐえっ」と蛙のような鳴き声をあげている。
ぉぅ。お前蛙好きだもんな。
思う存分鳴くがいい。
猫が飼えなくなった理由は、嫁が猫アレルギーだったからではあるのだが、あまりにもショックを受けていたのでそれ以上何か言うつもりもない。
「お前のせいだ」なんて思ってもないこと口にしてしまえば、また凹んでしまうからな。
「……ねえ、パパ上」
「ん? まさかお前も欲しいとか言うんじゃないだろうな」
なぜか上半身裸で優雅に一人掛けソファーに座り、自粛中に運動しなかったがためにおでぶちゃんになってしまった息子を見る。
最近自分でもおでぶちゃんになったことに気づいて必死に運動し始めているからか、体も少しずつ引き締まってきてはいるのだが、Aカップ程の胸は引っ込む気配をみせず。
そんな息子が今のこの状況に対する起死回生の言葉を発してくれるのかと期待してみたのだが……。
「フォー〇ナイトやってもいい?」
「……」
息子は息子で、今日も平常運転だ。
とりあえず、NintendoSwitch様を壊してやろうかと思った。
「ぱぱー。ボク、小鳥も子猫もダメならぬいぐるみでいいにゃ~。パパがママに買った、すみっこぐらしのおっきい柔らか枕がいいにゃ~」
かぷっと私の指を甘噛みしながら娘が言う。
「……ぉぅ。あれ高いから却下な」
それなりの大きさでふわっふわの不思議感触枕なので、4000円越えくらいのいいやつやであれ。
「ママのは猫さんだったからボクはとかげさんでいいの~」
「ぉぅ。今、答え聞いてたか?」
「聞いたうえで欲しいっていいってるにゃー」
……うん。
だからな?
娘が気づいたら『ボクっ娘』になっているのにも驚きはあるけども、それよりも。
かぷっと、がじがじと。
……なんで私、娘に噛まれてるの?
なんて。
最近噛み癖がついた娘。
この噛み癖は誰のせいかと問われれば。
「なあおい。噛ませろよー」
「……あぁ?」
「いいか、よく聞け。お前の腕は私のもの。私の腕は私のもの」
ジャイアニズムを発する嫁が、かちかちと歯を鳴らしながら私に近づき、笑顔で「いただきます」と二の腕を噛もうとする。
「おぅ、じゃあお前のものなら思う存分食らわせてやるよ」
そしてまた。
私に二の腕を首元に思いっきり突きつけられ、
「ぐえ」
「ほれ、食え」
なんて蛙が潰されたときのような鳴き声をあげる嫁。
うん。
めげずに必死に私の二の腕噛もうとするこいつが。
こいつが、元凶だな。
なんていう、よく分からない癖を持った女性陣に囲まれながら。
私は思う。
今日も、平和だ……。
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