新しい裸族


 こちらのお話。

 非公開としたお話(前話に書いた、猫を飼った話)を、非公開とした理由を除外しつつ、書き直したお話になります。

 まったくの新作のお話としてみて頂ければ幸いでございます。

 ※ちなみに今までのも、このお話も、大体実話ですよ?

 ―――――――――――――――


 娘は可愛い。


 うん。それは間違いない。

 パパ上様たる私が言うのだから、間違いない。

 父親フィルター? ふんっ。そんなもんなくとも可愛いわっ!


 それこそ、まだ長男が小学生低学年の頃、とあるショッピングモールで、


「良かったら、子役やってみませんか」


 なんて、息子に声かけるスカウトのやつなんぞいたが、娘に声をかけるのが普通だろっ! と思うほどに、娘は可愛いのだから。


 というくらい、娘は私の顎――じゃない。私の心を鷲掴みするわけだ。


 ……いや、違う。

 息子は息子で、私のことを「パパ上様」と呼ぶ可愛いやつじゃ。息子は息子で、スカウト受けるくらい可愛いのじゃよ。


 ……まあ、息子は息子で。名前も私がつけ、その名前も、思い入れのある名前だ。


 最近、運動せずにゲームばっかしてたからぷっくらしちゃって胸できちゃったけど、可愛いやつじゃよ。




 閑話休題。



 さて。

 私は、この家に起きている、大変なことに気づいた。


 それは私が、最近仕事が忙しく、土日に会話できるかどうかと言うほどだったから、ただ気づくのが遅れただけなのかもしれない。


 だが、違和感があったのは確かだ。


「ねぇねぇ、おかあしゃん」

「ん? いや、お父さん、な?」

「どっちでもいいにゃ。あのね、ボクね、猫が欲しいにゃ~」

「……いきなりすぎやしねぇかな!?」


 なんて、タヌキ腹ぽんぽこぽーんのパパ上を母親呼ばわりすることは日常茶飯事だ。


「ぱぱ~」

「ん? どうした」


 にゃんごろにゃんごろにゃ~と、子猫のように私の膝の上に乗る娘は、


「ボク、猫飼いたいにゃ~」

「う、うん? あれ、なんかデジャヴ?」


 なんて言われたときも、思い返せば違和感を感じていたはずなのだ。


 まあ、そんな娘の、土日ごとに言われる「猫欲しい」攻撃は、理由もあって断ったのだが、執拗に言われると流石に飼わなければならないという使命感が芽生えそうになる。


 いくら可愛い娘のお願いでも、飼えないものは飼えない。

 なぜなら。


「私、一軒家手に入れて、そこで猫を飼うのが昔からの夢だったんだけど」


 と言ってた、あの妄想からの勘違い変換の嫁が。


「猫アレルギーレベル2でした……」


 という絶望感溢れる結果だったので、飼うことは止めにしていたのだ。







「うぅぅ……ごめんねぇ……」


 猫が欲しい我が家の女性陣と息子 VS どっちでもいい私の戦いの結果。


 猫を飼うことになり、準備もしっかりして。

 猫飼って2日で嫁が呼吸器系にダメージを負うアレルギーで、息ができなくなり。


「母さんと猫をとるならどっちとる」

「「お母さん」」


 という、なんとも最低な選択肢を与え、私以外号泣の新しい家族とお別れをさせたときも。


「ボク、おっきくなったら猫飼うにゃ~」


 うん。

 そうしなさい。


 そう思いながら頭をぽんぽんすると、「さわるにゃ~、髪の毛みだれるー」と猫のように威嚇する娘。


 だが。

 私はそんな話をしていた時にも、違和感を感じ続け。


 数日後に、気づいたのだ。





「……あれ? ボクっ娘になってない?」





 と。

 つい先日まで、自分のことを『私』と読んでいた娘。



「何を今さら……もう何ヵ月も前からこうよ?」

「え……」


 ――そう。

 それは私が、最近仕事が忙しく、土日に会話できるかどうかと言うほどだったから、気づくのがなのだ。


 いつの間にか、私の娘は、『ボクっ娘』になっていたということに。






 そんな我が家から、新しい家族がいなくなってはや一ヶ月。


「ボク、とりさんがほしいにゃ~」


 始まった。

 新しい家族を何にしようか争奪戦だ。


「私も。鳥なら小さい頃に飼ってたからアレルギーない」

「……」

「ほ、ほんとだよっ!? 噛むよっ!」


 うん?

 かぷっと。

 何で今、私の顎に噛みついた?


「パパ上。僕も鳥なら全然大丈夫」


 うん?

 お前、昨日までハムスターがいいって言ってたよな? 飼ったら「とっとこ」って名前つけよう言ったから鞍替えでもしたか?


「で、飼う?」


 親猫と子猫がいるこの家で、鳥飼ったら、食われるだろ。

 なんてことを思いながら、私以外が家族の消失感を味わっていたのなら、何か飼ってあげようと思うのは必然で。


 だけど。

 私が「じゃあ、見に行くか」なんて言った途端に、みんなして私の顎を掴んで「やった!」と言うのは頂けない。




 もっと頂けないのは。

 そんなこんなで、産まれたばかりのセキセイインコを見て誰よりもはしゃぐ息子が、


「よし、お前の名前は今日から『みどり』だ!」

「!?」


 なんて。

 セキセイインコが緑色してたから安易にそんな名前をつける息子を見て。


 家族にカクヨムで作品作ってるなんて秘密にしている私が「お前、どんだけ寄せてくるんだよ」と思ってしまったのが、何より頂けないんだがね。


 ※なぜかは内緒です☆

 非公開前のお話を読まれていた人だけが分かる特権です(笑)





 そんなわけで。

 我が家に新しく。

 家族が増えました、とさ。


 命名:みぐ


 ※「みどりはお前がつけるのは断じて許さんっ!」と、パパ上に理不尽に怒られた息子が、「み」どりと「グ」リーンを掛け合わせて命名。

 決して、戦闘機の『MIG』からとったわけではありません


――――――――――――

本タイトルについて

本来は「新しい家族」というタイトル名でしたが、誤字っていることに気づかずに「新しい裸族」で公開してしまいました。

でも、裸族でいっか。ということで裸族のままとなっています。


決して、私が裸族だから、というわけではありません。

私は常にいつでもパンツァーダストできるように、腰には愛用のトランクスと頭には嫁のパンティを被って生活してま――


タイーホ

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