3日目 父子共闘対姉
――――――シンさんサイド
俺は何でこんな損な役回りばっかするんだろうな。こんな大型の霊は2人でやるようなもんじゃないだろう?でも、下手な奴がいてもなぁ・・・しょうがない。
「シンさん・・・あいつ僕らじゃ多分維持すらできない。S域クラスの付与をされてるね。」
「あぁ絶対そうだな。なんたってテツと健太で倒せないほど強いわけじゃない。だが、持ってる概念が見えてるだけで3つ。【破壊不可】【殺】【浸食】か、触れるだけで即死。無効系のくせにS域だから簡単に抜けやしねぇ。無効でどうにかレジストしなが単純に削るか?」
「ケンちゃんに習ったことやる?」
「発想の逆転か?勝つ方法考えるのか?そりゃまぁ「違うよ?大前提を崩すんだ」・・・そういうことか、なら『健太をどこにやったああああああ!』危ね!」
危ないな・・・考えてる暇はないか。めっちゃ追いかけてきてる。
「【浸食】さえ覚悟すれば【死】をどうにでもできるか・・・そうか!レイ!Bでいくぞ!」
「シンさんそれやばくない!?」
「【浸食】前にどうにかするしかないだろ!」
「そういうことね!それならBしかないね、了解!シンさんなら一発も外さず僕に渡せる!僕はそれを信じて殴り続ける!それだけだ!」
B・・・武装のBだ。ありったけの武器を、レイの求めた武器を渡し続ける。そしてこちらから内部崩壊させ続ける。無限に作れる1回で壊れる武器で殴るんだ。だから、浸食されない。
「「武装展開(乱舞)!!」」
レイが突っ込み右手を振り上げて振り下ろし始め、そこの射線上にジャストに刀を投げ渡す。当たる。壊れる。
そのままの回転で両手で切りかかり始める。そこに、斧を投げ渡す。当たる。壊れる。
相手が一旦引く。レイは詰めないで横に両手を伸ばし始める。2本の短剣をそこに送る。投げられる。当たる。壊れる。
のけぞってる間にサッカーのシュートのような恰好を構え始める。短槍を投げる。シュートのように飛んでいき突き刺さる。壊れる。
当たり前のように距離を詰めそこで右手を上にあげ始める。そこに鉈を。断ち切る、壊れる。
相手が防御に手を増やした。両手を特殊な構え方をしようとした。チェーンソウを動いてる状態で投げる。さらに放物線を描くように火炎放射器を送る。まずチェーンソウがキャッチされ一気に断ち切られる。壊れる。
『うわあああああああああああああああ!?!?!?』
手が見えなくなる。火炎放射器が手元にいったはずなので横から二発分のナパーム弾を送る。
『いい加減にしろおおおおおおおおお!』
ボン!という音と共に、火炎放射器が壊れ、レイが戻ってくる。
どうにかなったか?
健太の姉はいきなり丸くなり・・・
『もう・・・効かない!』
「嘘だろう?脱皮して成長とかありかよ?」
「悪いことだけどこれが現実だね・・・まぁ見た目は見れるようになったけど。」
脱皮して人型になった。そして、俊敏な動きができるようになっていたが、纏っていたものは何も変わらなかった。
「これは嫌だったんだけど・・・シンさん!奥の手出すよ!」
「あれやるのか!?下手すりゃお前死ぬぞ!?」
「つべこべ言ってんなよ!シンさん!今が踏ん張り時だろうが!
「浸食されるってんなら上等、こっち側の魂の色で塗り返すよ!」
こいつ・・・あぁそういやお前はそんな奴だったよな・・・なら
「俺が死なせねぇ!いくぞ!」
勝算は無い。が、やらないと勝てない。なら・・・息子兼親友が命張ってんだ。俺が張らない訳にいかないだろ!
瞬時に手に8本の縦10センチ太さ1センチの釘を出してをそれぞれのそれぞれにワイヤーをつなげておく。すべてのワイヤーは一つの玉につながってる。
いつもの仕事道具その1つだ。レイに玉のほうは持っててもらってる。
後ろを振り向き。構える。
『健太ああああああああ!』
「悪いなこっから先は、通行止めだから、よぉ!引いてくれよ。そらぁ!今だレイ!」
まず左手の釘をぶち当たるそれと同時に右手の釘を30度ぐらいの角度で投げる。落下が始まるぐらいで急速に引っ張る。それにより前と後ろに8箇所、手で受けたところも2箇所ほどあるが全てが接続されて浸食され始める。
『邪魔だああああ!』
「「【浸食】!」」
元来、俺とレイの魂の波長は同じだった。普通は波長が違うから他の人の武器に付与ができない。だが同じだから、こんな風に俺の武器にレイの概念を付与させることもできる。俺自身もレイの武器に概念を付与することさえも可能つまりは。
同じ武器に2人分の全力を注ぎこむことさえ可能なのである。
「っく!?」
「これでも足りないの!?」
『ああああああああ!』
「いや効いてはいる!もう一息だ!」
それでも足りない。
確かに苦しんでいるんだ。
これが無理なら、正直対抗策はないぞ?
殴りはほぼ効かない。それに破壊もできない。殴るためには概念攻撃できない。いわば、魂装殺し。死神殺しだとも言えてしまう。
ここでありったけを吐き出す!!!ここで魂力の使い過ぎでぶっ倒れようとも!
「「はああああああああああああ!」」
『うぁああ!』
「嘘だろ!?」「なんでさ!」
こいつ自分から自切してそれを内部崩壊させやがった!俺たちの攻撃から学びやがった!もう魂力残ってないぞ・・・
っちぃ・・・ここまでか。
眼前に大きく振りかぶられた拳が迫る・・・
だが、その時に声が響き、その拳は止まった。
「姉さん!もうやめてくれ!」
この声・・・
「ようやっと、救世主様が来たみたいだな?」
「そうだね・・・ちょっと疲れたかな。」
ちょっと見ないだけで随分と強くなったもんだな・・・
「ありがとうございました。あとは僕とテツに任せてください!」
なぁ、健太、哲也。
ふがいない大人たちで悪いな・・・
意識は暗転した。
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