第9話 新藤幸太郎の驚き
新藤幸太郎は、今回の事件で、本間ファミリーに加わわったことにより、数々の学ぶことがあった。
いままで、とにかく逮捕さえすれば良いと思っていた。
ところが、本間ファミリーでは、冤罪を許さない。
慎重に、状況証拠、物的証拠、本人自供の3個が揃うまで逮捕はしない。
送検後に、証言をくつがえされないように証拠を固める。
場合によっては、裁判で負けないだけの証拠を固めてしまう。
東京へ戻った新藤幸太郎は、警視庁捜査1課長の森川警部の前で、興奮ぎみに報告していた。
『あれじゃ、まるで遠山の金
さんの桜吹雪ですよ。
結局、犯人の箕山はグゥの
音も出せずに自供しま
した。』
基本中の基本なのだが、その基本に捜査順路に持って行ける手腕を学んで欲しかったと森川は思っている。
ただ、本間ファミリーの手腕は、幸太郎には高度過ぎたのかもしれない。
ただやみくもに走り回る捜査をしていた。
森川と鶴園は、頭を使えと、普段から言っているが、
東京の人口と人口密度は、そんな悠長なと思わせるのに十分過ぎた。
しかし、今回の事件で、新藤幸太郎が少なからず、捜査の基本手順に気がついてくれただけで、大きな収穫と言えるのかもしれない。
京都魔界伝説殺人事件・祇園祭 近衛源二郎 @Tanukioyaji
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