マッハ少年
「キャーッ!」と孝子?
学食に登場するや否や謎のハイテンション。他にヒロシとユキがいるが、誰も怖くて話しかけられない。
「見て見てー!」と謎の人形をカバンから出す孝子。真っ黄色〜真っ茶色に色褪せたブリスターパックに入ったプラスチック製の人形はヘルメットを被りレーシングスーツを着たライダーの格好。
「ずっと欲しかったの、マッハボーイ!」
……何それ?
ここからしばし孝子の語りが入る。
「マッハボーイはそのコミカルなスタイルで80年代のレプリカブーム走り屋全盛期の頃に流行ったバイク用アクセサリーでこんな昔に今で言うハイマウントストップライトとしての機能を満たしつつもそのしがみつきフォルムは愛嬌があるのみに留まらずバイクの疾走感も演出してさらにそのスタイルは当時走り屋の間で定番だった背負えるタイプの巾着袋を再現している点からも開発陣の拘りを感じさせてヘルメットやトレーナーといった第二の文化が出始める前の過渡期を象徴する時代の……」
一言でいうと、80年代レーサーレプリカ全盛期に流行ったバイクアクセサリーだとか……。あんた何歳よって話。
「いくらするの?」と聞くと、よくぞ聞いてくれましたって顔でニンマリして、オークションで新品の出物があって一万七千円で落札したと。
「えーっ!」三人一斉に驚いた。
「ねー! 安いでしょ!」とドヤ顔の孝子。価値観の違いから別れ話になる男女が絶えない訳だ。
「それドカにつけるの?」と念の為確認。
「トーゼン!」と孝子。「やっぱりー、欲を言えば保存用にもう一つ手に入れてからかなーって悩んだんだけど、バイクもそうだけど物は使ってなんぼって思う訳なのよ!」
価値観の違いで別れる男女が……。あ、宗則が来た。
「おっ! マッハボーイじゃん」
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