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今から三時間前。ふわふわと
現在、地上では空挺部隊や陸戦隊の陽動作戦が始まっていて、十児を
「まもるさん、ここは僕に任せて先に行ってて下さい。もう道案内の必要ないとこですから、内裏までもう少しですから先に行ってて下さい」
当初、十児は義姉の
「〝晴眼〟もいます。大丈夫ですよ。任せて下さい」
闇が揺れた。井乃原まもるを取り囲んでいる黒ずくめの集団が、同意するようにうなずいたのだ。
「必ず――必ず追いついてくると、約束して」
井乃原まもるの表情は、すべてを悟っているようだった。
「……善処します」
「では、この場は彼に任せて、私達は先を急ぎましょう」
闇が揺れた。井乃原まもるを取り囲んでいる黒ずくめの集団が、同意するようにうなずいた。
井乃原まもるを中心に闇が移動し、十児から遠ざかっていく。それを見送りながら、彼はおこりのような震えを堪えていた。
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