第12話
今日の朝ごはんは、昨日の残りのカレーだった。一晩おいても辛いものは辛いままだった。
昼まではあまりすることがなかったので、おじさんと店番をした。おじさんが頬杖を突けば自分も頬杖をついた。おじさんが新聞を広げたら、お店にあった雑誌を開いた。おじさんが煙草を吸い始めたら、お店のストローでおじさんに息を吹きかけた。おじさんはずっと無視をしていた。
「おまえはいつまでいるんだろうな」ふいに口を開いたおじさんはそう言った。
「ねえ、おじさん、私は必要?」
「いや、必要じゃないよ」
「そうだよね。
でも、おじさんは私にとって必要だと思う」
「そりゃどうも」
それからまた、私はごみを拾って、帆を洗って、店の掃除をして過ごした。海はまだ汚かった。
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