第7話

 「なんで、君はうちにかえったの?」

 「…まあ、ちゃんと家に帰ったんだけど…、ここの海の家って、どういう場所か知ってるか?」

 「海に遊びに来た人をターゲットにしたお店?」

 「ああ、一般的にはそうなんだがここには一年に一人、家出した奴がやってくる。で、歴代の家出少年、少女が毎晩一人ずつやってくる。その人たちとしゃべっていたら何となく帰ってもいいかなって思ったんだ。しゃべったことがよかったのか、時間が解決したのかはわからないけど」

 「ここに来た人は、みんな帰る?」

 「犯罪を犯していたりすると、警察に行くけど、たんに家出しただけなら対外、帰る。帰るまで、この夏休みからは出られないし」

 「出られない?」

 「帰る気になるまで、この夏はループする」

 「私はここに、ずっといたいような気がする」

 「ああ、俺も最初はそう思っていたな」

 そう言って彼は闇に消えていった。

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