第9話妹はソースを書くようです
「お兄ちゃんお兄ちゃん! 今、世間ではオープンソースがブームらしいですね?」
またメタいネタを……第二のくぅ疲とか呼ばれても知らんぞ……
「諦めろ、世間の大半はコンパイラなんて意識しないし、自分でソフトを作ろうなんて思わない」
「まあまあ……私たちもちょっとくらい媚びておかないと更新頻度減りますよ?」
「そういう話は好き嫌いが分かれるからやめろって言ってんだよ」
「この前PC組んでもらいましたし何かクリエイティブな活動がしたいんですよ! 芸術の秋! 英語で言うとアート・オブ・オータム!」
「それは別の世界線の俺たちだから! お前はPCもってただろうが!」
コイツそろそろ黙らせた方がいいな、うん。
「分かった分かった、VisualStudio入れてやるからそれで好きなだけコードモンキーやってろ、な!」
しかしオープンソースねぇ……また面倒なことを……
リビングでオープンソースの推進演説をされても困るので妹の部屋に移動する。
「この世界は邪悪なプロプライエタリに支配され……」
大体過激派の言うことそのまんまだったので俺は聞き流した。
まあプログラミングやり始めると熱病みたいにかかるししゃーないな……
「いうてPC業界は大半が仕事でやってる奴だしな……諦めたら? お前英語の成績悪かったじゃん?」
コイツは英語の成績が微妙である、とても英語で要望やバグチケットが送れるとは思えない。
ただ釘を刺しておかないと機械翻訳で作ったメッセージを送りかねないのでそれとなくやめとけと言っておく。
「でもつたない英語でもコミットしてる人多いですよ?」
「それは英語力はともかくプログラミングができるんだよ、お前なんか書ける言語あるの?」
「ホワイトスペース」
「ほぅ……ならハロー・ワールド素で書けるのか?」
ちなみにホワイトスペースとはスペースとタブと改行だけで書かれた言語だ、言語自由で紙ベースの課題が出たらごまかすのに使えそうだ。
「ごめんなさい嘘です!」
さぁて……困った……コイツに知識が無いとオチがつかない……
俺はWindows派で別にフリーソフト以外認めないというわけでもない、コイツは過激派だがそもそも知識が無い。
「お兄ちゃん……その……」
「なんだよ?」
「いえ……お兄ちゃんの部屋にあった『初めてのC※』ってなんかいやらしくないですか?」
「せやな」
※プログラミング言語Cの入門書、分かる人は分かるお約束ネタ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます