第4話 早朝、裏庭
裏庭でいつものように寝ていた涼子は昨日の事を思い出していた。
❤️♠️♦️♣️
昨日のその後、唇を解放した後もまったく反応の無い璃央を見ながら涼子は少し戸惑っていた。
やばい、少し早すぎたかな?
「… 璃央ちゃん?」
顔をのぞき込むか込まないかの刹那。
ガンッと脇腹に一撃をくらい、涼子は一歩よろめきながら下がる。
…ちょっと、アタシもこれでも一応女だぞ?
そう思いながら蹴られた脇腹をおさえる。
いつの間にか持っていたはずの眼鏡がない。
それは鞄を持ち走り去る璃央の手にしっかりと握られていた。
「…へぇ、やるじゃないか」
走り去る姿も初々しくて少しいいと思う。
もしこの場に第三者がいたとしたらお前絶対男かどこかのオヤジだろうと言われたかもしれない。
あっ…答えをまた聞きそびれた。まぁいいか楽しみが増えたと思えば。
そう思いながら涼子は目を細めて少し笑みを浮かべた。
❤️♠️♦️♣️
「姉さん、何ぼんやりとしているんです?らしくないですよ?」
顔をしかめて、涼子は上からのぞき込んできた声の主を見上げる。
斎藤美紀(サイトウ・ミキ)、涼子を慕っている学園で二番目に問題児と言われている少女だ。
金髪のポニーテールは赤いストレートの次に目立つ。そして涼子も同じだが、今時女子にも関わらず学ランを着ている。
「美紀、お前は恋をしたことがあるか?」
「はい?」
涼子はそう言うと、再び目を閉じて眠りについた。
早朝の裏庭はまだ、朝露が光っていた。
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