episode3「侵入者」
目覚めた少女ティアと協力する約束をしお互いの情報を交換しているうちに夜が明けたらしく、俺の作った時計の針は朝8時を指していた。
ティアとの会話で分かった事と不可解なことがある。
分かった事はこの世界には存在を知られていない神のみぞ知る魔法があるという事やこの世界以外にも神が納めている世界があるということ。
正直他の世界などには興味がないので魔法のことを重点的に聞き習得させてもらった。
不可解な事はティアが封印された1000年前と今のべポン国の王が全くの同じ名前という事だ、名前の一致だけならあるかもしれないとも思ったが以前見た文献には王が変わったなどの記載はなかった。
仮に同一人物でなかったとしてもべポン王国は何かを隠していると考えて問題ないだろう。
「となると無闇にべポンを攻めるのは危ないな、取り敢えずべポンからこのダンジョンを攻略しに来るやつを捉えて聞き出すしかないか。」
それから数週間待つがダンジョンには誰も来ない(前回の冒険者が帰ってこなかったからだろう)、俺は教えてもらった魔法を研究する日々を送っていた。
ティアはと言えば暇すぎると怒り始めたので1つ上の99階層で他の魔物たちと手合わせをして鍛えている。
元々神なので強さは折り紙付きだ、そろそろ魔法や武器を作ることに飽きつつあった。そこで久々にダンジョンの調整をすることにした。
今までは階が下がるごとにLv3ほど難易度が上がるようにしていたが全体的にリスポーンする魔物を弱くしてトラップも減らした。
これならある程度の冒険者なら50階層まではこれるだろうと踏んだ俺は50階層に休憩できる街のようなものを設計した。
完璧すぎると自分を褒めながら自室に戻ると汗だくのティアがベッドに座っていた。
ティアがシャワーを浴び終り2人で彼女のステータスを見ると限りなく俺に近いものになっていた。(神は堕天するとステータスがLv1で現れる)
ティアは元々の時を制する神力を持っているため成長がとても早くこの数週間でLv350まで上がった。(このままでは俺もすぐに抜かれそうなので明日からは一緒に稽古することにする、絶対に!)
夜が明け俺はティアと共に99階層の広場で手合わせをしていた、元はと言え神やはり手強いがベリアルに比べれば造作もない、軽く受け流しているとティアの手が止まる。
そして何かを察知したかのように突如天井を見上げる。
「何か来る、人?魔物?分からないけど結構な強者みたいよ、どうする?」
「じゃあ俺は役目を果たすため100階層に戻る、お前はこの99階層を任せるぞ。」
ティアがグッと親指を立てたのを見て俺は100階層に転移する。今回は骨のあるやつみたいなのでワクワクして待つ。
侵入者は徐々に降りてきている、10階層、20階層、30階層、40階層そして休憩所のある50階層へと辿り着いた様だ、遂にここまで来る者が現れた。
ただ50階層からは帳尻を合わせるため難易度が急に上がるためここまでだろうと内心諦めていた。
しかし侵入者はどんどん下がってくる、これは人間ではないなと上の階層にいる前魔物に警戒する様伝え俺はまた侵入者を待つ。
侵入者は留まらず遂に90階層まで辿り着く、ここからは最低でもLv100の魔物しかいないためここで人間かどうかの確証が得れるというわけだ。
侵入者はやはり人間じゃない様で下り続けている、侵入者はとうとう1つ上の99階層にたどり着いた。
上の階のティアが負けるわけはないので俺は安心しきっていた、侵入者が99階層に入って1日が経った。
やけに長いなと思っていると100階層に誰かが入ってくる気配がした、ティアが侵入者を連れ報告に来たのだと思い広場で待っているとそこに現れたのはティアを脇に抱えた人間だった。
To be continue
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