国会
野党議員 「総理、政府はようやく○○○○○○習慣禁止法案を議会に出して、審議するということになりましたが、WHOが初めて○○○○○○習慣禁止を我が国に勧告したのは、すでに8年も前のことです。遅すぎるとは思いませんか?」
総理大臣 「えー、国民のなかには、○○○○○○習慣を文化・伝統として重要視する声がありましたので、国民的な議論が成熟するのを待つ必要があったと考えております」
野党議員 「総理、それは逃げですよ。我々は3年前に我が党独自の○○○○○○習慣禁止法案を提出しましたが、一切審議に応じようとしなかったじゃないですか。ずっと放置しておいて、国際世論が○○○○○○習慣を禁止する方向に動き始めたからと言って、ようやく政府案を出してきて審議するというのは、政治家の責務を果たしているとは言いがたいとお思いになりませんか?」
総理大臣 「しかし、果たしてこういうものを法で禁止すべきなのかどうか。自由な市場を規制することにはならないか、あるいは宗教的な意味も含まれているため、禁止することが信教の自由を侵すことにならないか、慎重に議論する必要がございました」
野党議員 「過ぎたことは仕方ないとはいえ、この間、たくさんの国民が亡くなっているんです。責任をお感じになりませんか?」
総理大臣 「えー、亡くなったことがいることは、たいへん遺憾に思っております」
野党議員 「今回の政府案の内容ですが、我々は不十分と考えます。○○○○○○習慣禁止法案とは言っても、これは実質何も禁止してないのと同然じゃないですか。70歳以上の方に○○○○○○習慣を禁止するとはなっていますが、罰則は一切なし。○○○○○○習慣を行おうとする場合にも年齢確認もしないということでは、これは事実上放置するに等しいと思われても仕方ありませんよ」
総理大臣 「基本的にこれは民間どうしが自発的に行うことですので、なかなか刑事罰を伴った措置を取るというのは、憲法上及び人権上問題があると考えております」
野党議員 「それでは、こちらのフリップをご覧ください。総理の地元である山口県の政党支部、こちらの支部の代表は総理ご自身がお務めになっておられますが、こちらに去年1年間だけで、2回にわたり、有限会社菓舗むらかみという会社から、合計10万円の献金がありました。総理、この菓舗むらかみというのは、いったい何の会社ですか」
総理大臣 「えー、そちらは私の小学校からの同級生が代表を務めている会社で、私の父の代、祖父の代よりもずっと昔から、ご支援をいただいております」
野党議員 「ちゃんと答えてください。同級生かどうかを聞いているんではありません。この会社はいったい何の商売をしてる会社かと聞いてるんです」
総理大臣 「食品関係の会社だと認識しております」
野党議員 「この会社、業務の一部に○○○○○○習慣に関わる製品を製造しているんじゃないですか?」
総理大臣 「主に和菓子を取り扱っている会社のはずですが、詳しくは存じておりません」
野党議員 「知らないはずはないでしょう。そんなに古くからのお付き合いなら。総理、あなたは○○○○○○習慣禁止を徹底したら、お友達の会社の商売に累が及ぶから、こんな抜け穴だらけの法案を出してきたんじゃないですか」
総理大臣 「一切、そういうことはございません」
野党議員 「我々は引き続きこの件について調査しております。もし総理が国民の安全を無視して○○○○○○習慣禁止法案を捻じ曲げているなら、すぐに正していただきたいと思います。次の質問に行きます。……今週発売の週刊誌に、与党の村町孝雄議員のインタビュー記事が載っております。総理はご覧になられましたか?」
総理大臣 「読んでおりません」
野党議員 「その記事のなかで、町村議員はこんな発言をしているんです。『WHOの勧告は内政干渉だ、一切耳を貸す必要はない』。また、『○○○○○○習慣は我々日本人にとって大事な伝統だ。外人に口を挟まれるいわれはない。無視すればよい』。『○○○○○○習慣で死ぬ人間が出たとしても、それは自己責任だ。何人死んだとしてもやめるべきではない』。『外人には理解できない。勝手に騒がせておけばいい。移民で日本に来た人間が、○○○○○○習慣をやらないのは自由だが、日本人がそれをやるのに文句があるなら、国に帰ってもらえばいい。日本に滞在する資格はない』。……派閥の領袖で、閣僚を何度も勤めた党の重鎮である村町議員がこう言っております。このグローバルな時代に、こんな時代錯誤な発言を、許してもいいんでしょうか。日本に住む外国籍の方の人権にも関わる話ですよ、これは。党の総裁である総理は、これに賛成なさるんですか」
総理大臣 「えー……、事実ならば問題ある発言だと思っております」
野党議員 「そういうなら、村町議員を党から除名するなり何なり、厳しい処分をするべきではありませんか」
総理大臣 「党務は幹事長に任せております」
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