第2話 決心と兄との言い合い
私は、可愛くなる決心をした。
恋愛経験ゼロは卒業してみせる!
ー翌朝ー
「おはよーって......えーーー!?何だよこのブスは!! 」
「いや、私だけど」
「あー、うざいしブスだし底辺の神だな」
こんな会話をして部屋に戻り、落ち込んだ......。
私はやり方を間違えたのだろうか。
あんなに男にこびれるほどの可愛さを持っていないのか......。これはクソ兄もびっくりするよな......。
でもあんな言い方............。
あ、学校に行く時間だ。
後で兄を学校に来られないほどの顔にしてやろう。
私はいつも通りの姿で学校へ行った。
ー教室ー
みんな変わらない。
みんな普通だ。
私も普通だが、少し気になることが......。
男はみんな仲良いけど、女子はグループを作りやたらほかの女子の愚痴を言いたがる。
噂も広める。
グループなんてデメリットでしかない。
メリットを言えと言われたら、一人じゃないから寂しくないし楽しいってだけじゃないのか?
私は三人以上の友達と絡んだことがない。
だからそれだけしか思いつかないのか......。
まぁ、とにかく私以外の人間は人に依存して生きている。
私以下の人間だな。
ー体育の時間ー
「それでは2人1組でダンスを見せ合いましょう!」
............なるほど......こういう時に一人は困るんだな......。
「じゃあ黒山さんは先生と組もうね! 」
「......はい」
............寂しくないし!
私の考えが少し甘かっただけだし!
二人一組なんて奇数のグループなら迷ったはずだ!
そこに私が入ればよかったが、それに気づかなかっただけだ!
ー6時間目が終わり放課後ー
どうすれば友達ができるのか......んー......。
見た目から変わらないといけないが失敗したから諦める。
あ! もうすぐテストがある......。
そこで90点以上とればモテまくる!
私は出来る!見た目じゃなく頭の良さで仲良くすれば!
ー家ー
ガチャ
「何だよ、かなこか? ノックしろよ」
「おいクソ兄、クソでも勉強くらいできるだろ。私に教えろ」
「何だよその頼み方は!! ボケッ!! 」
ゲシッ!!
私は横腹を蹴られた。
「うぅ、うぅぅぅぅ」
私は涙を流した。
「何だよ、そんなに痛かったか? 手加減したんだぞ」
そうクソ兄は言うのだけれど、私は別の意味で泣いていた。
「うぅぅぅ、正直に言っただけだろーが!
怒ることねーよ! 早く勉強教えろ!90点以上とれるようになー! 」
私は冗談で言ったのではなく本気で言ったのだ。こんなやつこんな言葉で充分よろこ......
ゲシゲシッ!!
いや、喜ばなかった......当たり前だが。
「あんたも朝、ブスとかウザイとか底辺の神とか散々言っただろーが! それと変わんねーよ」
と言ってやった。
「じゃあなんであの時点に何も言わなかったんだよ! 」
めんどっと思ったが
「今日の朝はお腹痛かったから、仕返しをしなかっただけだ! 明日にはお前の顔はボコボコに腫れてるぞ! さ、勉強教えろ」
と言った。
今日の朝はボコらなかったから女子からモテたクソ兄は今最高の気分だろ。
だが明日には......グフッ
「もう俺の部屋から出ろ」
と、私の背中を兄の部屋のドアに向かって蹴った。
「何だよ! このクソ兄!! ふざけんじゃねー!もうお前には頼まない!! 」
「あっそ、もうめんどくせーから出ていけ」
ー次の日ー
「はい始め!」
ピラッ......
(いや、わからん......。クソッ!! 全部あのクソ兄のせいだ!! 後で覚えておけ! )
「はい終了! 」
ー放課後ー
「クソ...クソクソクソ!! クソ兄が教えてくれなかったからだ!これは全部クソ兄のせいだ! 」
「だーかーらー!クソクソうっせぇーーーーーー! 」
パシッ! パシッ!
私が兄の悪口を言っているところを本人にバレてしまって、左右両側の頬を往復ビンタされた......。
「痛ってーな! あんたの前で言ってないからいいだろ! 」
パシッ!
「かげで言ってるほうが周りに誤解されるだろーが!」
「勝手に誤解されとけ! もしそうなったら私がお前の前でいーっぱい喜んでや......」
パシッ! パシッ! パシッ! パシッ!
そして兄は一人で帰った。
兄の顔がボコボコに腫れたのではなく私の顔がボコボコに腫れた......。
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