朝顔はかく語りき


流行りの薬を噛み砕いて

また笑ってる

やめときなよ 。君らしくない

幸せにはなれないって言ってたじゃないか


似ているところをいっぱい探したつもりだったけど

変わってくなんて聞いてない

鮮やかになる世界の中で

君と立ち止まることがオンリーワン

馬鹿にされても構わないと思ってたのに


変わろうと思った。

早起きをしてみた。

いつ眠れたのかは覚えていない。

ただ、頭は冴えていた。

庭に出ると、朝顔が朝露に濡れていた。



流行りの話題を噛み砕いて

もう分かってる?

やめてくれよ。耐えられない

幸せって何なのか考えてしまうじゃないか


違うところは多様性。誇らしいつもりだったけど

譲れないなんて聞いてない

自由を少し勘違いしているよ

君が幸せになることがナンバーワン

馬鹿以外なら絶対分かるはずだから


ブレーキ音が響いた。

クラクションは殺気立っていた。

轢かれる妄想が結晶化していく。

勿論、頭は冴えていた。

手から花弁がこぼれた。


朝顔の花が呼吸したのだ。

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結局、オリジナリティに寄生する 直井千葉@「頑張ってるで賞」発売中 @701kizotari

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