ティリス・ララVS大食植物
俺は毎度の如く戦いに参加しても全くの戦力外なので、見学である。情けない事この上ないが、仕方ない。
戦の先手は、
さしものティリスもこれには驚いたようで、目を大きく見開いていた。
植物系の魔物は大抵、炎系魔法に弱い。しかし、この巨大
ティリスは高度を上げて避けようとするが──触手がなんと、伸びた。危うく足を掴まれそうになったところで、<
ララも気合の声を上げて
「おいおいおい、嘘だろ!?」
ララの手数を触手が上回り始めて、遂に足を掴まれた。そしてそのまま逆さまに吊り上げられる。
「やっべ──」
斧で足の触手を斬り落とそうとする前に、その触手でブンッとララを放り投げる。
ララが物凄いスピードで崖に叩きつけられそうになるが、すんでのところで翼を羽ばたかせたティリスが彼女を抱きかかえた。
「ララ、大丈夫ですか?」
「ああ、助かっ──って、ティリス、前!」
ララの声にティリスがハッとすると、
一旦距離を置くように、ティリスはララを抱えたまま俺の元まで戻ってきた。
「おい、大丈夫かよ」
俺は二人のところに駆け寄って訊いた。
「大丈夫……と言いたいところですけど、ちょっと面倒な相手ですね」
「触手の量が多すぎだぜ、ありゃ。しかも再生も速ぇし粘液に毒のブレス。悔しいけどあたしとは相性が悪ぃ」
ティリスとララが苦い笑みを俺の方に向けてくる。
通常の
「ラトレイアを呼んできた方がよくないか? あいつの
「いや……出来れば、ここでケリをつけたいな」
ララが
「どういう事だ?」
「多分、大きいのが要因なのでしょうけど……ひとつひとつの動作で体力を大きく消費するんでしょう。ほら、さっきより動きが遅くなっている気がしませんか?」
「確かに、言われてみれば……」
ティリスの指摘通り、
「だとしても、あいつに炎系魔法が通らないのも事実だし、近接戦闘も難しいんだろ」
さっきは触手に掴まれてそのまま投げつけられたのが不幸中の幸いだったが、万が一あの大きな口の中に放り込まれでもしたら、それこそ一大事だ。
「うっし……
「何か策があるんですね?」
「ああ。前にいいものを見せてもらったからな。ちょっくらパクらせてもらうぜ」
ララはティリスににやりと笑って見せると、赤い闘気を身に纏わせた。
「ああ、そういう事ですか。期待していますね」
ティリスもララに向けて微笑むと、同時に妖気を解放して、魔力を解き放った。
第二回戦の開幕だ。
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