隠されし力4

そして時は真夜中を迎えた。CENDRILLONシンデレラの魔法が解ける時間だ。23:59を示す電子表示が今変わる。魔法の時間マジックアワーがついに終わる。


そうはさせないとNIGHTMAREナイトメアがマヤ・ダイセンを踏みつける!その瞬間、マヤ・ダイセンの美少女の顔が微笑んだ。否、もう彼女は……!


「……?」意趣返しだとばかり、ダイセンを踏み付けマカネの希望を断とうとしたナイトメアは強烈な違和感を覚えた。「すでに思考革命モンキーシャインは終わっているんだゾ」ムスタングが勝ち誇った。「特異点制御!」ナイトメアは納得した。


マカネ・アキタとマヤ・ダイセンはムスタングの特異点制御、思考革命モンキーシャインによって精神を交換された。なぜ?ダイセンが若く美しい体を欲したからかい?「違う」NIGHTMAREの足が浮く。美少女の体を取り戻したマカネは本来の自分美少女の身体でアームヘッドの足裏を持ち上げた。


精神が再び入れ替わり、マカネはダイセンに奪われた体を取り戻した。美少女がおっさんに体を奪われたので取り戻したのだ。だが、このパワーは⁉︎


「これが隠されし力だゾ」ムスタングがつぶやく。「こいつ、混じっているゾ」ナイトメアはその力を察した。「その通りだゾ、すでにマカネはイグナイターと融合している」


融合!アームヘッドの適性が高い者はやがてその機体と一つになる!すでにマカネの本来の肉体はあの夜、ひとつのアームヘッドと融合していたのだ!それゆえにその精神は切り離された。その結果、イグナイターと呼ばれたアームヘッドは彼女の身体に閉じ込められた。


「これだけはしたくなかったのだが……」マヤ・ダイセンも自分の体おっさんに戻り、CENDRILLONの中に居た。ずいぶんと自分の身体の居心地が前に居た時より良くなっており、彼はマカネの健康管理に思いを馳せた。


「イグナイター!イグナイター!」ナイトメアが叫ぶ。「俺はイグナイターではない」マカネが答えた。「我が名はミッドナイト、真夜中では誰も夢を見ることはない」突如、マカネの影が肥大!


「その異常な質量!やはりゾ!」「ああ、すまない。俺は火を灯さない」ミッドナイトがその姿を現した。「神は未だ眠ったままだ」


つづく


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