バレンタインクラブ終

勝負は決した。チョコレートの差だった。ノイズはシザーバスターの両方のハサミをもいだ。ハサミ無き蟹など横歩きする肉だ。「やはりチョコレートこそが強さだったな!チョコレートこそが俺に強さと栄光を取り戻させてくれた」ノイズは笑った。「いいえ、カカオはチョコレートではないですわ」


蕾には恐怖は無かった。シンデレラは遅れてやってくる!サンドリヨンだ!真鐘のサンドリヨンが崖の上に立ちサルカニガッセンを眺めていた。「援軍!だがチョコたる俺が!」サンドリヨンはその寝言を聞かず、崖から降りながらパンチをノイズに決めていた!「貴様!これはいったいどういう話だ!」


「美少女がおっさんに体を奪われたので舞踏会にロボットで殴り込んで取り返しに行く話マジックブレイカーよ!」真鐘は叫んだ!これは単純なことだ!真鐘の方がチョコレートだからだ!「ですわ」そうヤツのルールに従っただけ。強き者にはチョコレートが集まる、ただそれだけのことだ。「蕾さん!」「ですわ!」


サンドリヨンとシザーバスターがノイズに体当たり!チョコレートの怪物はそのルールに則って爆発して消えた……。そのあとには髪の毛がチリチリになったカカ男がしょぼくれていたという……。




「ありがとうですわ」蕾はチョコドーナツを真鐘に渡していた。チョコならず者によってチョコ不足になりドーナツにチョコを塗った代物だ。「ありがとう蕾さん」そういうやりとりをアイリーンは眺めていた。「やはり圧倒的だな」アイリーンは呟いた。「お母さんはどういうつもりなのですか?」セシルだ。


バレンタインによってチョコレート混乱を引き起こしあまつさえノイズを誘発させた。「私はね、セシル。彼女を再誕させるつもりなの」「再誕……?」「バレンタインが産んだ最強の救世主、秋那・テーリッツをね」

『バレンタイン・クラブ』おわり

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