ブラックストマック

ブラックストマック1

ずっと眠っていた才能があった。それはあの日呼び起こされた。あのまま眠っていれば良かったのかもしれない。だがそれは目覚めたのだ。




マカネにそれは自転車操業を思わせた。能異頭によって破壊された屋敷の修理費用を捻出するためファイトマネーが必要だ。すなわち戦いが。


プライベートでは怪物と戦い、仕事でロボットと戦うなんてまるで血に飢えているみたいじゃないかとマカネはひとりごちた。その声が自分のものでは無く他人のものであることにいつしか違和感を感じなくなった。


あの日、私は私で無くなったのだ。あのアームヘッドに選ばれた時に。マヤ・ダイセンにあの黒いアームヘッドに乗せられた時、私は夢に落ちた。今でもそれに落ちている。


いま、私の体はマヤ・ダイセンのものになっている。私は私自身を取り戻すために戦っている。



ほんとうに?ほんとうにそうか?俺は戦いたいから戦っているのではないか?

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