ワイルドカード

天球ガフ時代

不幸な惑星があった。その名は天球ヘブン。その世界に彼らアームヘッドが現れたのはその世界の暦が二つ目の千年紀を終える直前だった。それから千年の月日が流れた。世界は変わり果てた。


大破局デイ・オブ・カタストロフがこの惑星の大地を凍らせ、半ば機械生命と化した自律兵器ファントムが惑星中を闊歩した。人々は終わった世界を棄て、はるかなる宇宙に安住の地を求めた。それでもなおこの世界にとどまったものたちがいた。


彼らは地下世界にその版図を広げ大きく複雑な複合都市群ガフを作り出した。惑星は彼らの献身に報いるかのようにその力を分け与えた。ヘヴンズレイである。その万能エネルギーによって人類は再び力を取り戻した。


はずだった。徒骸トモガラ、キャリアーといった存在がガフの深奥より湧き出てきた。禁忌の扉の向こうから銀の液体”アメノイワト”が漏れ天照光ヘヴンズレイを陰らせた。


ヘヴンズレイが消失し始めたのだ。かつて数々の脅威に対し共に手を取り合っていた人類が再び、残された光を奪い合い争う時代が訪れようとしていた。

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