第660話 やっと5分経ったよwwww
ということで、控室のバトル?に戻ることにしよう!
「タケシ! それは罠だ!」
立花どん兵衛は控室に入るや否や大声を上げた。
そう、彼の瞳にはリボル・ケイン小杉を両手でガッチリとつかみ上段に構え飛び上がる仮面ダレダーの姿がうつっていた。
しかも! しかもだ! 青白き光を放っていたリボル・ケイン小杉のトン先についていた小杉さんが頬を膨らませて大きくなっているではないか。
「ヒ~~~~ハ~~~~! ファイトぉ~! いっぱぁ~っつ!」
まるでその様子は、腹の中に溜まった屁を我慢するオッサンのよう。
みるみる顔色が赤く変わっていく。
そして、次の瞬間!
プスッン!
と、すかしっ屁のようなはかない音ともに小杉さんがはじけたのだ。
――何!
それを見る仮面ダレダーは焦った。
というのも、降り落ちてくるコンドーさんにめがけて、すでにリボル・ケイン小杉を振り下ろしていたのである。
だが、炎の刃はみるみると小さくなっていく。
そして、コンドーさんに届こうかというときには、すでにその刃は消えさっていた。
スカっ!
当然、空を切る仮面ダレダーの両の腕。
だが、コンドーさんは止まらない!
そして、次の瞬間!
こつん!
仮面ダレダーのかぶるヘルメットにコンドーさんの先端が振れたのだ!
発生するフォールド反応!
コンドーさんの先端を中心として黒い円が一気に広がった。
仮面ダレダーはとっさに声を上げる。
「助け……」
だが、その体はムンクの叫びのようにビローンと伸びて、もう次の瞬間には上半身は異次元空間に飲まれて消えていた。
立花やクロトの目の前から突如消える仮面ダレダー。
ポトッ……
先ほどまで仮面ダレダーがいた地面には使用済みのゴムのように伸びきったコンドーさんが転がっていた。
唖然とするクロト……
――まさかタケシさんが……異次元に飲まれるなんて……
あまりにも突然の事に何もできなかった……クロトはそんな自分を責めた。
そして、立花も悔しそうに言葉を絞り出していた。
「だから……あれほど日ごろからしっかりと融合加工に向き合えと言っていたのに……そんなことだから、炎の温度が下がったことに気が付けないんだ……馬鹿野郎が!」
というのも、炎の温度は青が最も高く、下がるにつれて赤みを帯びてくるのだ。
そして、一番低い温度の赤色を示した時……それはガス欠状態を現わしているのである。
おそらく、小杉さんは己が体内にあるのガスの残存量を感じ取っていた。
そのうえで、仮面ダレダーに一撃必殺を提案したのである。
いわば、己の消失と共に仮面ダレダーもまた異次元に吸い込ませようという魂胆だったに違いないのだ。
さすが、ブラック! 腹黒い!
いやそれほどまでに髪の毛の恨みは恐ろしいのだ。
そう……薄毛にハゲは禁忌中の禁忌なのであるwww
「タケシさぁー-----ん!」
クロトが叫べど、もうタケシは戻ってこない。
「タケシ!」
立花は急いで駆け寄ると、膝を突き落ちたコンドーさんを拾い上げていた。
その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
あれほど、馬車馬のように扱っていたタケシであったが、そうは言ってもやはり立花はタケシの事を愛していたのであろう……
うるんだ瞳をゴシゴシと手で拭う立花は嗚咽を漏らす。
「これから誰が俺のかわりに働くって言うんだよ……俺、働きたくねぇんだよ……マジで」
そう……タケシという馬車馬を失った立花は己の商売の事を心配していただけだったのであるwww
――こりゃ、さっそく、タケシのかわりになる働き手を見つけねえといけねえな。まぁ、タケシのかわりなんざ、いくらでもいるわなwww
だが、クロトは違っていた。
本気でタケシの事を心配していたのだ。
だが、今はそれを何とかしている場合ではない。
というのも、いまだにコンドーさんミサイルは降り落ちてきているのだ。
――タケシさん! あとで必ず救い出します!
そんな時! やっと! ついに! 5分経ったのだ!
長げぇよ! まじで!長げぇよwww
「できたぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
かろうじて残っていたアジャコンダのしっぽの影でうずくまっていたタカトが大きな声を上げた。
その声にクロトが反応する。
「何ができたんだい!」
すると、タカトは自信満々に鼻をこすりながら答えた。
「この『
「タマタマモード?」
「違う! マタマタモードだ!」
マタマタとは改訂新版 世界大百科事典 によると、『ヘビクビガメ科に属するカメ』のことであり、『カメ類でもっとも奇妙な形態をした種として知られる。マタマタという風変りな英名は〈皮膚〉を意味する現地語に由来する』とある。
そう、亀の名前なのであるwww
「それ。てっきりミドリガメの赤ちゃんだと思っていたんだけど、マタマタの赤ちゃんだったんだねwww」
「あほか! 誰がマタマタの赤ちゃんだ! 女性のマタマタを覗くために作ったからマタマタ! タマタマだと男の股を覗くことになってしまうだろうが!」
って、先ほど男性、いやオカマさんのタマタマを覗いていましたよねwwwアナタ!
などと、内心クロトは思いもしたが……それを口に出さないのが人としてできた証拠である。
そして、そんな事をおくびにも出さずに、タカトにあわせるのだ。
「え……そっちのマタマタだったのwww」
「そんなことはどうでもいいんだよ! クロトが稼いでくれた5分で、このマタマタモードはスッポンモードへと進化をとげたのだ!」
「タカト君、念のために聞いておくけど、当然スッポンって亀のスッポンのことじゃないよね……」
「当たり前だろうwww」
「となると……先ほどのマタマタから推測すると、女性をスッポンポンにするための道具とか?」
「おしい! 実に惜しい!」
やはり天才クロト! その読みは鋭い!
だが、そんなクロト自身は自分が出したつまらない答えに少々恥ずかしさを覚えたのか、すぐさまツッコんでしまった。
「惜しいんかい!」
もうwww ノリがいいんだからwww
「そう、当初は女性を無理やりスッポンポンにするために開発したのだが、この危機的な状況で女性をスッポンポンにしている暇はない! というか、今現在!女性がどこにもいやしない!」
それを聞き、改めてあたりをキョロキョロと見回すクロト。
――あれ、そういえば……ルリ子さんはどこに連れていかれたんだ?
だが、そんなクロトを意に介さずタカトは続けた。
「だから、このスッポンモードをガメラスッポンポ~ンモードへと切り替えたんだ」
「うーん、言っている意味がよく分からないね……あ! だから
そう、
さすがはクロトさん! 難しい言葉をよくご存じでwww
「まぁ、見てなってwww」
タカトは笑いながら天井を見上げた。
そこには、無数のコンドーさんたちが残ったアジャコンダのしっぽを超えてタカトたちの元へと振り落ちようとしていた。
その距離、およそ3m! 一般的な重力加速度9.80665 m / s2で計算すると、その到達時間は約0.8秒!
タカトは地面に置いたミドリガメの赤ちゃんのような丸い塊を思いっきり踏みつけた。
「ガメラスッポンポ~ンモード起動!」
スッポン! ポ~ン!
瞬間、ミドリガメの赤ちゃんは甲羅の上にのせられたタカトの足を跳ね飛ばし、宙へと大きく跳ね上がった。
空を飛ぶって……もしかして、やっぱりこれはガメラだったのか⁉
いや、その様子はガメラというより、跳躍地雷。
ウィキペディアによると跳躍地雷とは『人などが圧力信管を踏んだり、それに連動したワイヤーロープに引っ掛かったりした時、地雷底部のスプリング、または跳躍用爆薬が作動し、高さ1.5m程度まで跳ね上がってから地雷本体が炸裂し、金属球を飛び散らせて広範囲の人間を殺傷する』と書かれてある。
まさに、そんな感じで跳ね上がったのだ。
そして、当然に大きな音ともに大爆発!
ぽ~ん!
周囲に飛び散る無数の金属球! いや、甲羅を失ったスッポンポンのガメラたちw
だが、当のタカトはピンピンしながら笑って上空を見上げている。
「いけぇぇぇぇ!」
そう、このガメラ、跳躍地雷と異なりその中から飛び散らせた子ガメラたちを上空へと向けて飛び散らせていたのであった。
その子ガメラの数、およそ100。
そして、振り落ちてくるコンドーさんたちの数、約200。
この時点でコンドーさんたちの方に分があった。
そして、何よりもコンドーさんの頭には
念のために、もう一度言っておこう。
当然に、打ち上げられた子ガメラたちも固体である以上、コンドーさんに触れた瞬間に異次元行きは確定なのである。
数でも劣り、能力でも劣る。
タカトはこの状態でイカにしようというのであろうか。
ちなみにこの子ガメラたち、甲羅は無くてもイカではなくカメである。
などと言っているうちに……
先行した子ガメラの一群と、コンドウさんたちの先鋒とが邂逅した!
「オラオラオラ! そこをどきな! アタイらを誰だと思ってんだい! 泣く子も黙る新選組! 近藤ムサミだよwww!」
「ぎゃおぉぉぉぉぉ!」
ちなみにこの子ガメラ……ガメラから生まれた子ガメラなので、何を言っているのか作者にも全く分かりませんwwww
だが、そんなことを気にすることなく子ガメラが思いっきりコンドーさんの肩にぶつかったのだ。
「いてぇなぁ! その汚い手でアタイの肌に触るんじゃねぇ! 秘技! 異次元ぶっ飛びアクメ!」
「ぎゃおぉぉぉぉぉ!」
突如、コンドーさんの先端に開かれた黒い異次元空間。
その深い闇の中に子ガメラたちが次々と飲み込まれていく。
その数50……って、いきなり半減じゃんwwww
それを見るクロトは苦笑い。
「タカト君……あれに触れたらダメだって分かってたよねwww」
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