第620話 タコさんウィンナー帝国!
そんなこんなで、4週間すぎた頃にはタカトの「エロ本カク―セル巻き」の中には、お菊から貰った無修正のエロ本が25冊。そして、タコさんウィンナーが約42万個収まっていた。
読者の皆さんは、42万個という数字を聞くとさすがに多いよなと思うかもしれない。
だが、宇宙のような空間に漂う42万個など大した数ではないのだ。
しかも、長さが7cmほどのゴミのような存在である。
そんな小さなタコさんウィンナーが、これまたゴミのような無修正のエロ本に衝突する確率など0に等しい。
ましてや、25冊、全部となるとその確率は神がかっている。
しかも! しかもである!
タコさんウィンナーによって、そのエロ本に存在していた蝦夷アワビとイチゴたんがピンポイントで一つと残らず全て捕食されていたのである。
あり得ない……
絶対にありえない……
だが、タカトの「エロ本カク―セル巻き」の中では、その事実が確実に起こっていたのである。
その事象が起こった以上、この事実をしっかりと認識しないといけないのである。
起こった事実を客観視し、それをもとに仮説を立てる。
科学とはそういうものなのだ。
で、タカトがたてた仮説はこうだ。
『異空間におけるタコさんウィンナーは新たな生命体タコさんウィンナーになっている!』
そう! 新たな生命体の誕生である!
って、なんやねんwww
でも、考えてみてほしい。自らの意思を持ったタコさんウィンナーであれば、異空間に漂う蝦夷アワビとイチゴたんをピンポイントで捕捉することができるのだ。
だが、もし仮に、この仮説が正しいとするならば、「エロ本カク―セル巻き」から取り出したタコさんウィンナーはウネウネと動いていないといけない。
しかし……開血解放によって取り出したタコさんウィンナーは意思を持たないタダのタコさんウィンナーであった。
これはどういうことなのだ……
いや……待てよ……
ということは、タコさんウィンナーは異空間内においてのみ意思を持つと考えるべきなのではないだろうか。
そして、「エロ本カク―セル巻き」から取り出された瞬間、元のタコさんウィンナーに戻るのだ。
この仮説なら、現実の事象に合致する。
では、この仮説をさらに一歩踏み込んでみよう。
そう、タコさんウィンナーが意思を持つということは、無修正のエロ本だって意思を持つということなのだ。
異空間の中で甘い喘ぎ声をあげる意思をもったエロ本たち。
そんな声に引き寄せられるかのように異空間に漂う42万個のタコさんウィンナーが集まってくるのだ。
そして、赤く硬くなったウィンナーの頭が、これでもかと言わんばかりに、蝦夷アワビに激しく突っ込むのである。
「あん♡」
「いやん♡」
次々と上がるエロ本たちの悲鳴。
もうすでに、異空間の中はタコさんウィンナーによるエロ本の集団レイプの様相を呈していたにちがいない。
ゲヘwwゲヘwwゲヘヘヘ
などと、タカトがエッチな妄想を膨らませていたのだが……
よくよく考えると、これはこれで大変な事なのではないだろうかと、賢者モードになったところで気が付いたのだ。
というのも、道具を格納するたびに命を宿していたならば、異空間の中はてんやわんやの大騒ぎ。
すでに「エロ本カク―セル巻き」の中には権蔵の工房でパクった融合加工の道具もいくつか取り込んであるのだ。
だが、その数は多くて数十個……
とてもじゃないが、42万個のタコさんウィンナーの数には及ばない。
となると、おそらく、異空間の中では、その巨大な数の暴力によって樹立されたタコさんウィンナー帝国が、融合加工の道具たちを奴隷のように虐げているに違いない……
「働け! このデカブツ!」
「くっ! ハンマーの俺様がタコさんウィンナーの軍門に下ろうとは……屈辱」
だからと言って、今さら42万個ものタコさんウィンナーを「エロ本カク―セル巻き」の中からすべて取り出すのは至難の業なのだ。
だって、一個ずつしか取り出せないのだからwwww
そう、すでにタカトの「エロ本カク―セル巻き」はタコさんウィンナーによって汚染されていたのである。
こんな汚染された「エロ本カク―セル巻き」に新たなエロ本を投入しようものなら、またもやタコさんウィンナーのハーレムに囚われてしまいかねないのである。
ならば、どうすればいい……
――これから手に入れたエロ本はどこに隠せばいいというのだ……
悩みに悩んだタカトは、一つの結論に達した。
「エロ本カク―セル巻き」がダメなら、もう一個、別のを作ればいいんじゃね?
そう、別の異空間を作って、そこにエロ本を隠せば何も問題はないのだ。
だが、この「エロ本カク―セル巻き」は
実はこの素材、とてつもない高価な素材なのである。
タカトの腕に巻かれている「エロ本カク―セル巻き」に使用されている胃袋だけでも大金貨10枚(1000万円)はくだらない!
そのため権蔵の工房でもとりわけ大切に戸棚の奥に置かれた金庫の中に丁寧に保管されていたのである。
だが、権蔵の留守中……工房内でエロ本を探していたタカトは、その金庫を偶然見つけてしまったのだった。
――爺ちゃんの奴、こんなところにエロ本を隠してやがったんだな……
と、金庫を開けようとしたのだが、やはり鍵がかかってどうにもあかない。
だが、これぐらいの事ではタカトはあきらめない!
そう、こんな時に役に立つ道具が、ちゃんとあるのだ!
かつてタカトが人魔収容所の牢に閉じ込められていた時、その牢のカギを開けるために使った道具。
ジャジャ~ん!
その名も『錠前あけ開け君』!
ではなくて『帰ってきた!お脱がせ上手や剣(棒)』!
その棒をカギ穴に差し込むと、棒の先端から伸びた細い腕が金庫の中の仕掛けをゴソゴソといじくりだした。
5分後……
ガチャリという音ともに金庫の鍵が開いたのである。
「さてさて……どんなエロ本を隠しているのかなwwww」
と、ワクワクしながら扉を開けるタカトの目に飛び込んできたのは……
それを見た瞬間、タカトは感極まった!
「アメーーーーーーーージングぅぅぅうぅぅ!」
それを手に取り、まじまじと見るタカトの頭の中からは、すでにエロ本のエの字など完全に消えていたwww
当然、目ざとくそれを見つけたタカトは、権蔵に内緒で全て使ってしまったのであるwww
しかし、タカトの「エロ本カク―セル巻き」と、アイナとチビ真音子の着替え用のバンドを作ってしまったので、残った素材はあとわずか……すでに「エロ本カク―セル巻き」を余分にもう一本作るほど残っていなかった。
ということで、その残ったわずかばかりの素材をもとにア○ルプラグを作ったのである。
なに? 腕のバンドよりもア○ルプラグの方が表面積が大きいだろうって?
あのね、どこの馬鹿がア○ルプラグ全体に素材を融合加工するというのよwww
そんなの先端部分に少しだけ融合加工すれば事足りるのwww
だから、当然に、この取り換えプラグにも別の異空間が存在しているのだ。
だが、この取り換えプラグ、素材の使用量が少ないため、ブツを取り込むことはできるても取り出すことができないのである。
取り出すためには、取り換えプラグを「エロ本カク―セル巻き」に装填しなければならいのが少々の欠点といえば欠点なのだが、別空間にしていることによって、タコさんウィンナーに邪魔されることなく無修正のエロ本が格納できるようになった優れた一品なのである。
そう、当初、タカトは無修正のエロ本を格納するつもりだったのだ。
だが、道具コンテストの控室に来てみると、なんという事でしょう!
目の前に大量のカレーがあるではありませんか!
このカレーを持ち帰れば、これから先、ビン子の作った『電気ネズミのピカピカ中辛カレー』を食べなくて済むのだ。
しかし、「エロ本カク―セル巻き」の中にはタコさんウィンナー帝国が出来上がっている。
こんな中にカレーを投入すればどうなるだろうか。
おそらく、異空間内で新参者のカレーたちとタコさんウィンナー帝国の戦争が勃発するのは目に見えている。
「ここをタコさんウィンナー帝国の領土と知っての狼藉か!」
「オイ! タコども! イイ女をたくさん囲っているじゃねぇか! 俺たちにも少し回せよwww」
「馬鹿か!カレーども! お前たちにこのエロ本を回せばウンコのようにまっ茶色に染め上げてしまうだろうが!」
「タコ! そういうプレーがいいんだよwwww分からんのかwwww」
「あいにく俺はそういう趣味を持ち合わせていなくてなwwww」
「交渉決裂だな! タコぉぉぉぉ!」
「最初からそのつもりだ! このカレーがぁぁぁぁ!」
ああ……タコさんウィンナーとカレーの壮絶なバトルが目に浮かぶ。
もし、そんなことにでもなれば……異空間内の42万個のタコさんウィンナーはカレー味のタコさんウィンナーと化すことだろう……
さすがに……毎回食べるタコさんウィンナーが、いつもカレー味ばかりというのも飽きてくる……
やはり、オーソドックスに何もついていないウィンナーの方がいいに決まっている。
だいたい、後で味付けするにも味がついていない方がやり易いのだ。
ということで、タカトはカレーを別の異空間に格納することを選んだのである。
以上! 上記の理由によってタカトは口に咥えたア○ルプラグのような取り換えプラグを使って、控室に置かれたカレーをことごとく独り占めしていたのである。
その説明を窓越しに聞くミーニャは心の中で握りこぶしを握り締めていた。
――長げえよ!
そして、セレスティーノもまたシラケた目で見つめていた。
――実にくだらなかった……
タカトの説明が無駄にダラダラと長かったせいなのか、先ほどからミーニャが内股をギュッと絞めてプルプルと震えていた。
それを横目で見たセレスティーノは、そっと気を利かせるのだ。
「ミーニャちゃん! もしかしてオシッコ?」
「オシッコじゃないわよ!」
「えっ? もしかしてウ〇コのほうだった?」
「やかましいわ! 美少女がそんなものするわけないでしょ!」
どうやら、かわい子ぶる余裕もない様子のミーニャは、そんなセレスティーノを無視するかのように急いで水洗便所の個室へと走っていったのだ。
それを見送るセレスティーノは「はぁ」と大きくため息をついた。
「あぁ……やっぱり腐った牛乳なんか舐めるからだよ……」
って、一体いつからお前はミーニャの事を見ていたというんだwwwwこのストーカー野郎www
ちなみに、水洗便所たる個室トイレは工事現場などによく置かれているレンタルトイレである。
しかも、その置かれている場所は控室のすぐ横。
そんなものだから、トイレの音と臭いがよく届くのだ。
ブビュ! ブリブリ~ブリブリ~ブリブリ~
って、しんのすけかよwww
いや……どうやら、ミーニャが駆け込んだトイレの中ではブリブリざえもんが大暴れしていたようであるwww
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