第47話 激闘?福引会場?(26)老人から託された思い

 とっさに顔を上げたタカトの前には、着流しで「う〇こ」座りをしているオッサン、いやお爺さんがいた。

 そう、着流しで「う〇こ」座りをすると、着物が着崩れることがあるのだwww

 そんな裾の間から赤いフンドシが作る男山がしっかりと見えていた。

 もしかして……このフンドシはガラポンの6等の赤いフンドシ?

 というのもフンドシの真ん中には商店街の文字が書いてあるのだ。

 『しゃぁ~専用!』

 古来よりフンドシとは、トイレで用を足すときには、その横からイチモツを引っ張り出さなければいけなかったのである。コレ!豆知識ねwww

 だが、なんと! この『しゃぁ~専用!』、フンドシなのにもかかわらず前開きがついていたのだ!

 これにより、いかに緊急事態の時であろうとも慌てず騒がずにイチモツを引きずり出すことができたのである。

 確かに……ここまではフンドシとしては画期的だった……

 だが……残念なことに……後ろは従来のフンドシのまま……だったのである……

 かの劉備玄徳曰く……『大事を為すには必ず人を以って本となす』

 そう! 大事をなすためには一度、フンドシを人から外すことを以て、ようやく一本垂れ流すことができると説いたのである。

 だが、中には勘違いをする人もいるようで……

「なんで後ろにも窓が空いてないんだよ! 見ろ! おかげで赭色しゃしょくのフンドシが茶色ちゃしょくに変わってしまっただろうが!」

 ということで、返品につぐ返品!

 みるみると出来上がった茶色のフンドシの山からかぐわしい匂いが醸し出されていた。

 まさに! 時は世紀末! いや、SDGs!

 そんなものでも捨てることは許されないのである!

 ならばということで、この茶色のフンドシたちは簡単に洗濯されたのち、二度とクレームが来ないように『しゃぁ~専用!』と、しっかりと注意書きを入れられてガラポンの景品として再配布されたそうである……めでたし……めでたし……


 そんな理想と現実が詰まった赤いフンドシをタカトが先ほどからベロベロとしゃぶっていたのである。

 顔を赤らめるお爺さん。

「いやぁ~ん♡」

 う〇こ座りで身もだえていたwww


 だが、ガラポン抽選会は今日から行われていたはず。

 なのに、このおじいさんはすでにフンドシを身に着けている。

 ということは、先ほどガラポンをして、すぐにフンドシを腰に巻いたということになるのだが……

 いったいどこで着替えたというのであろう?

 まさに忍者のような早業!

 というか……今はそんなことはどうでもいいのだ!

 ――なんで俺が爺さんの股間をしゃぶらにゃならんのだ!

 おえっ……

 ――俺は頭がパァなのか?

 うん?

 まてよ……

 パァの俺が爺さんの股間にある╰⋃╯をしゃぶっている?

 おおっと!

 これこそ!この小説のサブタイトルの回収ではないかwww

 そう! まさに「パァちんこ玉赭ブロー」www

 ということで、無事、オチもついたようなので一件落着!

 え? 今迄の話は何だたんだって?

 それはそれwww

 これはこれwww

 玉赭ブローと書いておいて、このオチが出なかったらマジでオモロナイでしょうがwww

 というか! この勝負! 君の負けだ! タカト君www


「私の味はどうだったかな? タカト君?」

 顔を赤らめる爺さんはすっと立ち上がると、湿ったフンドシを正しい位置に戻すかのように腰に巻いた紐をグイグイと動かしていた。

「どうだったかじゃねぇよ! おえっ……」

 タカトもすかさず立ち上がると、口の中からありったけのつばを吐き出した。

 ぺっ! ぺっ! ぺっ!

 どうにも、まだ口の中に妙な味が残っている。

 ああ水が欲しい!

 ――あっ! 俺! ヒョウタン持ってたんだった!

 そう! ヒョウタンとは古来より水筒代わりになる優れた道具なのである。

 とっさにタカトはヒョウタンの細い穴に口をつけ一気に飲み干そうとする。

 だが……当然に、水など出るわけはない。

 というのも、タカトのヒョウタンの中には水ではなく変声器という機械が入っているのだからw


 ――役に立たねぇ! このヒョウタン!

 いやいや、役に立たないのはヒョウタンではなくて君だからタカト君ww

 だが、頭にきたタカトは、そのヒョウタンを地面にたたきつけようと、いきなり頭上に振り上げたのだ。

 そして、そこから一気に振り下ろす!


 だが、その手がピタリと動かないのである。

 そう、タカトの頭上に位置したまま動かないのである。

 ――へっ?

 訳が分からないタカトは自分の手に持つヒョウタンを、それとなく見上げた。


 なんと! タカトの頭上でヒョウタンが細長い棒先で押さえられているではないか!

「ほっほっほっwww」

 飄々とした笑い声をあげる爺さん。

 その手から先ほどまでう〇こをつついていた一本の細長い棒きれが伸びていた。


 タカトは爺さんを睨みつけると、

「なにしやがる! ジジイ!」

 すかさず、振り上げた手をずらし振り下ろそうとした!

 だが、そんな動きにじい様の細い棒がしっかりといてくるのだ。


「こんな役立たずは破壊だ!」

 えいっ! ピタ!

 えいっ! ピタ! 

 タカトが振り下ろそうとするたびに、細い棒先に押さえつけられるヒョウタン。


「くそおお! 破壊だ!」

 だが、タカトもあきらめない!

 右や左!

 それでもだめなら上と彩

 何なら三回まわって!

「ハカイダァァァァ!」


 そんな時、爺さんの細い棒がヒョウタンの中にある機械ダーのボタンをポチっと押したのだ!

 突然、ヒョウタンの中から響く声。

「スイッチぃ~ オン!」 

 それは紛れもなくタカトの録音された声であった。


 ワン


 ツー


 スリー


「電流が股間を走るぅ~! タカト~♪ ちぇぃんじ~ 気合だぁー」

 しかも、その歌声はなぜかウキウキハイテンションなのである!

 というか……これは恥ずかしいwww 超!恥ずかしいwww

 その声を聞いたビン子などは、どうやら笑いのツボに入ったようでプッと吹き出していたぐらいなのだ。

 だが……次の歌詞を聞いた途端……ビン子の顔が引きつっていた……

「ガールグラビア!迎え撃てぇ!」

 ――まさか……このタカトの展開……

 もしかして……

 もしかして……

 やめてぇぇぇ!

「人造白玉クサイダ~♪」

 ――やっぱり……

 ビン子は情けなさとやるせなさで顔を真っ赤にしてガックリとうつむいていた。

 一方、黒歴史をいきなり暴露されたタカト君はというと、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしながらこちらもガックリとうつむいている。


 この変声器の中に入っているタカトの声……

 変声器の調子を確かめるためにタカト自身が録音したものであったのだ。

 だが、それを録音したのが夜明け前……

 皆さんは覚えがないだろうか。

 徹夜をして頭がボーっとしているにもかかわらず、妙に気分が高まっている自分の存在に。

 そう……タカトも同じだった。

 徹夜で行った融合加工でタカトの脳は妙なハイテンションエクスタシーモードに入っていたのである。

 かわたれ時のタカトの部屋。

 下半身丸出しのタカトが作業机に足をかけ、アイナちゃんの写真集のページを次々とチェンジしながら大声で歌っているのだ!

「ちぇぃんじ― ちぇぃんじ― ゴー・ゴッゴッ・ゴー! ゴッ・ゴッ・ゴー!」

「やかましい! このドアホがあぁぁぁ! 今何時じゃと思っとんじゃぁぁぁ!」

 バキッ!

 うっ♡

 と、権蔵に殴られるところまでがしっかりとその機械ダーに録音されていたwww


 右に左に激しく動くヒョウタンにあわせて細い棒をふっていた爺さんは、どうやらその単調な行動パターンに飽きたようで、

「タカト君、そろそろ……そのヒョウタン、壊すぐらいなら私にくれないだろうか?」

 と切り出した。

 しかし、すでに肩で息をしているタカトは「はぁ?」というような顔でにらみつける。

 ――なんで俺がこのジジイにヒョウタンをやらないといけないのだ?

 そう、このヒョウタンはタカトがガラポンで当てた3等のタンクトップを、どこの誰だか知らないが、筋肉マッチョのオッサンの2等のヒョウタンと替えたものなのである。

 したがって、このヒョウタンは俺のモノ!

 当然セコイタカトの回答はこうであるwww

「断固断る!」

 それを聞く爺さんは少々残念そうな顔をした。

「そうか……せっかく娘が喜ぶと思ったのだが……」

 ――なに? 娘? このジジイ、娘がいるのか?

 娘という言葉にすぐさま反応したタカトであったが、タカトの脳内スパコン腐岳が計算するのである。

 目の前の爺の年齢はどう見ても70を超えている。

 おそらく権蔵じいちゃんとどっこいどっこい。いや、権蔵じいちゃんよりも若干年上といったところだろう。

 ならば、そのジジイの娘といえば……40は超えていてもおかしくはない。

 いや、下手をしたら50を過ぎているかもしれないのだ。

 だが、その心はいつまでも純粋な乙女といっても過言ではない!

 そう、未婚の女性はいつまで経っても振袖を着ることができるのである!

 カサカサのおばちゃんがミニスカ振袖を身にまといコチラを見ながらウィンクをするのだ!

 うふ~ん♡

 きっと、その筋の熟女マニアには受けるかもしれない……

 ということで、タカトの答えは……

「………………だ………………だ………………断固断る!」

 であったwww って、迷っとるがなwww

 だって、仕方ない……タカトの女性に関するストライクゾーンはグラビアアイドルの等身大ポスター並みに広いのだから!


 だが、じい様、そんなタカトの迷いに気づいたのか、さらに交換条件を付けくわえてきたのであった。

「ただでとは言わないよ……」

 懐からとりい出したるは、手のひらサイズの緑の翠玉すいぎょく、すなわちエメラルドである。

 手のひらサイズという事は……だいたい3000カラットぐらいか。

 ちなみに、この原稿を書いている令和5年8月1日現在、エメラルド買取価格相場表によると10.0ctの買取価格は4,200,000円〜となっている。

 宝石はそのサイズが大きくなるにしたがって価格はおどろくほど跳ね上がっていく。

 おそらく3000カラットともなれば、その値段は……かるく数十億を超えることだろうwww

 付け加えると、世界最大の単体結晶である「インカラム(Inkalamu=ライオン)エメラルド」1.1㎏(5655ct)のお値段を調べようとGoogle先生でググってみたのだが、一向にそのお値段が出てこないのだwwww

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