第9話 激闘?福引会場?(6) これこそ! ガラポンいかさま道具!パちんこ玉赭ブロー

 ――見つけた! ジャブローの入り口だ!

 そんなタカトがポケットの中で何かを掴んだ瞬間、ズボンのファスナーがずり落ちてパカリと大きな口を開けたのである。

 黒々と広がるアマゾンの密林。

 そんな密林の中に金属光をまとったイチモツがチラリと見えた!

 ――この金属反応が無ければ、見逃していたことろだwww

 そう、タカトのポケットの中にはジャブローに降り立ったホワイトベースではなくて、昨晩、徹夜で寝ずに作った融合加工道具がしまわれていたのだったwww

 タカト! お前は難攻不落のジャブローを攻略するゾックのパイロットボラスキニフ曹長かよwww


 それをガン見するメルアは思う。

 ――もしかして、先ほどの金属音はこれか?

 そう、ローバンの放った白弾はこのポケットの中の金属の棒に当たり跳ね返ったのであった。

 だが、その一撃は、まるで空から降下するモビルスーツ部隊を対空砲火でせん滅するかのように熾烈を極めていたのだ。

 そのためか、その金属棒は中ほどでくぼみ、弱々しく中折れしていた。

 もはや……中にいるはずの白玉を守るためのコクピットは血なまぐさい赭色しゃしょく(赤色のことだよ)に染まっていることだろう……

 ――と言うことは攻撃はない! カモフラージュを見破られたくないはずだからな。

 そんなメルアはにやりと笑う。

 ――見掛け倒しでなければいいがな……

 って、メルアさん! アンタもボラスキニフ曹長ごっこですかwww


 ということで、意味の分からない読者の皆さんに説明しよう!

 この融合加工道具のことを!


 聞いて驚け! コレこそ! その名も!

『パちんこ玉シャブロー』だぁぁぁぁぁぁぁ!

(著作権、商標の関係上あえて一文字変えておりますwwwが! 決してエロい事を言っているわけではございませんぞwww)


 そして、念のために口に、いや、付け加えておきますが! 新潟にある棒パチンコ屋さんとは全くの無関係ですwwwマジで本当にあるとは思いもしませんでしたwwww玉三郎ぅ!

 たぶんアソコは実に超優良! 出ます! 出します! 出しまくります!

 是非! 大人の方は一度じっくり!しっぽり!精根いや、財布の中身が尽きるまで遊びに行ってみてくださいねぇ~♥


 と、少し話がそれてしまった。

 それではタカト君の妄想に説明していただこう!

 どうぞ!


「えー。実はこの『パちんこ玉シャブロー』は、アイナチャンの写真集を確実に手に入れるために、俺が魔鮫まこうトホホギスのひれと金属こけしとを融合加工したものなのだぁぁあぁぁ!」


 そう、このガラポンにおいて目指すアイナチャンの写真集『チンころと酢豆腐すどうふ』は4等! すなわち、それは赤玉を表している。

 ということは、ガラポンから確実に赤玉を出さないといけないということなのだ。

 だが、世の中には100%完全なる事象の実現というものは存在しない。

 ならばこそ!

 泣かぬなら、泣かせてみよう! ホトにキス!

 違ったwww

 出さぬなら! 出させてみせよう! ホトトロピー!


 ホトトロピーとは、フォトクロミズムの別名である。

 そしてこのフォトクロミズムとは、光の作用により、単一の化学種が分子量を変えることなく色の異なる二つの異性体を可逆的に生成する現象を言う(文部科学省ホームページ フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出<入江 正浩>より引用)のである。

 早い話、光を照射している間だけ、その物体の色が変わる現象なのだ。


 もう、賢い読者の皆さんなら分かるよねwww

 そう! この○チンコのような棒の先から照射される光。

 それによってガラポンから出てきた玉の色を赭色、すわなち赤色に変えようという魂胆なのである。


 えっ? なに?

 ブローはどこだって? 

 もう、細かいなぁwww

 本当に聞きたい?

 仕方ないなぁ~

 このこけしの形、大きさだったら個室風呂ブロの中にあるソープマット上でも使えるじゃないですかwww


 母なる大地の個室風呂!

 今! その中に横たわるアマゾンの密林の奥深くに潜む秘密基地ジャブローが、ジオン、いや、オジンの波状攻撃によって赭色しゃしょくに染まろうとしていた!

 よいではないかwww よいではないかwww

 お客さん、無理よ! 無理よ! 無理なのよぉ!

 ええい! 泣かぬなら、コすってしてしまえ! ホト……


 ビシっ!

「いい加減にしなさい!」

 いてっ!

 今、妄想の中のタカトが何かハリセンのようなモノでどつかれたような気がした。


 気を取り直したタカトは尻ポケットから丸まった福引券を取り出すと、それを机の上に広げ、まるでアイロンを当てるかのように左腕でしわを何度も何度も伸ばしはじめた。


 その様子を黙って見つめるメルアもまた、引きつった笑いを何とか伸ばそうと頑張っていた。

 だが、明らかにその口元は早く帰れと言わんばかりに小刻みに震えている。

 というのも、待てども待てどもタカトは福引券のしわを伸ばし続けているのだ。

 いや、福引券を伸ばすと見せかけて、先ほどからズボンのポケットに突っ込まれた右腕がくの字に折れ曲がった銀色のこけしをシコシコとこすり続けているのである。

 ――この変態坊や! もうそれは中折れしてんだよ! どうあがいたって、白玉なんて出やしないんだ! 分かったらさっさと帰りな!

 そんなメルアが次第に殺意を覚え始めていたのは言うまでもない。


 だが、タカトは諦めない。

 いや、諦められないのである。

 だいたい初めての個室風呂というものはとても緊張するものなのだ。

 作者など……緊張のあまり中折れしてしまい、本当に何もすることもできずにそのまま嬢との会話だけで終了時間を迎えたという悔しい思い出まであるのだ。

 って、変態作者の個人情報など、どうでもいいわいwwwスカポンタンwww


 そう、せっかくアイナチャンの写真集をゲットするために徹夜で融合加工したのだ。

 ――こんなことで……こんなところで……まだ、玉すらも出してないのに! 諦められかぁぁぁぁぁ!

 だが、何度おや指を押し付けても『パちんこ玉シャブロー』が開血解放しないのだ。

 やはり、先ほどのローバンの一撃によって壊れてしまったのか?

 右手ごしに感じる『パちんこ玉シャブロー』の形。

 どうやらグニャッりと真ん中から折れ曲がっているようである……

 しかも、こともあろうかパンツの中には生温かい湿った感触が広がっていた……

 ――シ、シャアか?

 いや小便とは違う!

 このぬるりとした感触……

 男の誰しもが一度は経験したであろう、パンツの中がベトベトの状態なのである。

 そう、いわゆる、夢の中で華を咲かせる若き情熱大陸!

 ――ま、間違いない。奴だ、奴が来たんだ!

 だが、若さゆえの過ちというものは認めたくはないものであるwww

 そんな時、白い木馬を巧みに操るミライ嬢の声が聞こえてきそうであった。「分かるわ……男の人ってそんな感じ方するのよね……」

 セイラ嬢:「そうなの?」

 変態作者:「さ……さあ……(汗) わたし……玉を潰されて喜ぶドぇムではなくザクいや、ザコなのでその辺りは、ちょっとぉ……」

 いやいやwww おそらくこれは『パちんこ玉シャブロー』の内部に充填されていたお汁が漏れ出していただけだと思いますwww


 だが問題なのは、この状態にして、この排出量……

 もはや……再起不能なのかもしれない……


 いや! まだだ! あきらめるな!

 まだ二発目があるじゃないか!

 そう、『パちんこ玉シャブロー』は二連装式!

 スキージャンプ個人ラージヒル! 一回目を終えて6位だった原田選手でさえ、あきらめずに因縁の二回目を飛んだのだ!

 勃起、いや開血解放さえすれば、残った一発をあの巨乳の姉ちゃんめがけて発射することできるのだ!


 ――立て、立て、立てぇ! 立ってくれぇぇぇぇぇ‼


 ………立ったぁぁぁぁぁぁぁ!

 

 タカトは喜びのあまり声が出そうになったのを寸でのところでこらえた。

 なぜなら! イクにはまだ早い!

 首にメダルをかけてもらうまでがオリンピックであるように、玉子に液をかけるまでがミッションなのだ!

 こんなところで発射してしまっては、それこそミッションいんぽッシブルwww

 今はまだ、我慢だ! 我慢だ! ガマン汁!

 えっ? なに? なんで汁をかけないといけないんだって? 大体、玉に光をあてるだけでいいんじゃなかったのかよだって?

 君ねぇ……光を当てるだけだったら懐中電灯でいいでしょうが!

 フォトクロミズムには、光の作用により色が変わる異性体が必要なの。

 ガラポンの玉が都合よく異性体になっているわけないでしょ!

 ならばどうするか!

 答えは簡単!

 そう、出てきた玉を異性体を含んだ液体でコーティングすればいいのである。

 液体と一緒に噴き出すブロワー。

 それによって瞬間的にタマの表面を乾かすのだ。

 これでどんな玉が出て来ようが『パちんこ玉シャブロー』から放たれる光によって赭色シャショクに変えられるというわけ。

 なに? それなら最初から赤い汁を飛ばせばいいだろって?

 バカじゃない?

 そんなものがお姉さんの顔にでもかかったら、ホラー映画も真っ青なスプラッター映画になってしまうだろうが!

 綺麗なお顔にかかってもいいように、撃ち出す汁は白一択! もし赤が続くようだった素直に病院に行きやがれ!デス!

 ということで、タカトは先ほどまでポケットに突っ込んでいた右手をサッとぬきだすと、メルアの手を取り、まっすぐに伸びきった福引券を手渡したのであった。


 だが、その瞬間、メルアの顔が引きつった。

 せっかく顔の筋肉を小刻みに動かして、先ほどまであんなに引きつっていた頬をやっとのことでほぐしたというのにだ。

 だが……それは仕方ない……仕方ないのだ……

 タカトの右手によってしっかりと握りしめられているメルアの左手が、なにかぬるっとした感触を覚えたのである。

 手と手の間に広がる……生温かい……なじみのある匂い……

 否が応でもメルアに日々の業務を思い出させた。

 ちっ!

 メルアは舌打つ。

 というのも、今日は快晴、あおい空!

 ガラポンの受付係で気楽に静思せいしできると思っていたのに。

 まさかこんな日にまで、あお臭いニオイにつきまとわれることになるとは思いもしなかった……

 我慢だ! 我慢だ! ガマン汁! いや! もしかして……この臭い……精翅 せいし

 だがしかし、さすがというべきなのかメルアの目は絶えず微笑みを浮かべ続けていた。

 (ちなみに精翅 せいしとは、中国料理に用いられるふか鰭 ひれを煮て外皮と筋を除いてつくった食品のことだよ。くれぐれもエッチな妄想はしないでくれたまえwwww)


 メルアは「きもっ!」などと吐き捨てたい気持ちをグッと飲み込むと事務的な言葉を発した。

「どうぞ……」


 その言葉を聞くやいなや、タカトは「ハイ」と元気な返事をして、さも待ってましたと言わんばかりにメルアから手を放す。そして、目の前のガラポンのハンドルを急いで握りしめたのだった。

 メルアもまた、待ってましたといわんばかりに左手をひっこめる。そして、手にベットリとついた精翅 せいしの香りを急いで短パンの後ろでゴシゴシと拭き始めていた。


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