駄文だ、だっふんだ。

ひろみつ,hiromitsu

第1章、というか第1章だけ。

 むかあしむかし、あるところに、かわいいかわいいおじいさんとおばあさんが、ゲホッ、ゲホッ、エゴフッ! ……あ~、参った~。いや、参った。フー、落ち着こう。えー、住んでおりましたとさ。

 すると、あ、あの、えーとぉ、あ、あ……続きが思いつかない! それにどもっちゃってる。喉も痛くて咳きこむし、もうやめたい! このお話、もうやめたいんですKEDO!


 「どうしたのですか?」

 白くゆったりとした布をまとい、白髭のおそらくは神様としての登場と思われる老人男性登場。

 「だ、だ、誰ですか、急に?」

 「分からないかなあ、この見た目なのに」老人はフレンドリーさを演出して言った。

 「えっとぉ……、ホームレスの方ですか?」

 「違うよ」老人は笑ってあげた。 

 「じゃあ誰なんですか!」書生はキレ気味に言った。

 老人の額に汗が滲んだ。「いやいや、待って。私はねえ、怪しい者ではなくて、あの、その……」老人は、こんなバカに親切にするのも名乗るのもバカバカしいと思いつつも、ここまで来たらしょうがないとあきらめて言った。「いわゆるね、えーと、神様……だよ」


 書生は口を開けたまま老人をしばらく眺めていたが、やがて嘲るように笑った。老人は自分がここに現れたことを後悔しはじめた。書生はなおも笑い続けた。

 「いやあ、面白いことを言いますね! おじいさん、どこの施設から来たんですか? もう帰りましょうね。送っていってあげます」

 「施設ではありません、天から来たのです――あなたは信じないでしょうが」

 書生は先ほどより激しく笑った。

 「とりあえず、僕の部屋に勝手に入るのはいけませんよ、おじいさん。警察にこのことは言いませんけど、とりあえず一緒に交番に行きましょうね」書生は涙を拭きつつ笑いながら言った。

 「いや、ですから……」

 老人はひ弱な力で抵抗した。書生は、――これはかなり重症な奴だぞ――と思った。いささか強引に老人の腕を掴み、引きずるようにして交番へと向かった。老人が何か必死に言っていたが、モゴモゴしていたし、かまわず引っ張っていった。書生には善行をしているという自負心さえあった。これでまた一つ神様に褒められるぞ!、くらいの。


2ページ目に続く→

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