『香織』

 ねぇ起きてよ…


 ねえ忘れたの…




【復讐するんでしょ?】



 ***


「ねえ大丈夫!?」


 あれ?俺生きてる。体が痛い。

 でも頑張れば動けないことはない。それに、謎の高揚感がある。俺の体はあいつが言うように普通じゃないみたいだ。


「あのさーわざと無視してる?」


「ああいたんだ。ごめん香織」


「ヒドッ こっちはそれなりに心配してたのに!」


「ここは?」


「えっそれも無視すんの?」


「近くに他の人は?」


「え…」


「早く答えてくれ!」


 こっちはいろいろあってそれどころかじゃないんだよ!


「うわー自分勝手。まあこの状況だから仕方ないけど」


「ここは一階の空き教室。廊下を歩いてたら、すごい衝撃の後にあんたが上から落ちて来て、気を失ってたからすぐに安全な場所まで運んだの」


「あと、落ちてきたのは零だけ。他にはいなかったわ」


「そうか…」


「じゃあ次は零が説明する番。何があったか教えて」


「ああわかった」


 そこから俺は何が起こったのか一部始終話した。


「なるほどね。でも、何で零を狙ったのかしら?それに創くんは?」


「わからない」


「そうよね。でもこのままじゃやばいわよ」


「いつにもまして真剣だな。いつもそうならいいんだけど」


「それもそうでしょ!学校の周りの氷のせいで逃げられないし、テロリストに追われてるし、凍え死にそうだし…どうすれ」


「見ーつけた!」


 その瞬間、天井突き破り、先刻俺を襲った男が現れた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る