襲撃

 あの後、授業は中止になった。


【創氷】を使った危険行為は許されないことであり、犯人を見つけ指導を行わないと学校側もペナルティを受けてしまう。だから、先生方は必死に犯人を探していた。


 そして、俺に対しても事情聴取が行われた。

 いろいろ聞かれたが、答えることができるものは、ほとんどなかった。30分ほど拘束されてやっと解放された。しかし、僕らの学年はまだかえることが出来ない。だから、ひとりになりたい時によく行く、屋上へ向かうことにした。階段をのぼり、屋上の入口の扉を開く。風が強い。授業の時はこんなに強くなかったし、こんな寒くなかったはずた。でも耐えられないくらいじゃない。その場で仰向きに倒れた。そして、目を瞑る。授業の出来事を振り返る。今、考えても分からないだらけだ。


「あー疲れたな」


 ちょっとの時間でいろいろありすぎた。ちょっと休むか。



 ******



 やばい死んでしまう。なんで、、、こんなに、、、寒いんだ。寒さに我慢できずに目が覚めた。反射的に、起きて原因を探ろうとする。すぐにわかった。学校の周りが【氷】で覆われてしまっていた。


「えっなんで?」


 疑問に思ったのは、学校が【氷】で覆われていることも、もちろんだけど、この【氷】は【創氷】で、出来たとしか考えられないが、こんな大規模なことできる人はほとんどいない。それに、【創氷】は温度がないはずだ。なぜか分からないが、冷たくない。だから溶けることはない。なのに、あの【氷】によって、こんなに冷えてしまっている。この寒さはやばい。普通だったら、動くこともままならないだろう。でも、なぜか俺は辛うじて動けている。まるで、勝手にこの冷たさに抗っているような気さえする。


「なんだあいつらは?」


 グラウンドに武装した奴らがいる。数は5人。テロリストか?でも、あいつらこの寒さで普通に動いてるし、その動きも訓練されているみたいだ。もうわけが分からない。何が起こってるんだ。


 さっきよりも急に周りが暗くなった。咄嗟に上を向く。上から【氷塊】が迫ってきていた。

 その瞬間、また、どす黒い感情が押し寄せてくる。そして、勝手に口が動く。


「消えろ」


 【氷塊】の真ん中から亀裂が入るように、バラバラに砕けた。


「えっ何で?」


 俺は何が起こったのかわからないまま、急いで落ちてくる【氷】の残骸に当たらないように屋上から逃げだした。








「目標を発見した。これより、この学校の制圧を行う。抵抗する奴は殺しても良い。だか、目標は、無力化の後、確保せよ」


「「「「了解!」」」」

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