違和感

【創氷】というのは残酷だ。この力で人を傷つける奴もいるし、俺みたく使えない奴はこんな風に差別対象になる。


「そんな力必要なのか、いや必要じゃない」


 心の奥深くからどす黒い感情がわき上がってくる。例えるなら、もう一人の自分が身体を支配していくみたいな。


「消えてしまえばいい」


 気づいたら、口に出していた。


 ***


「おい!零 危ない!」


 創の声がして顔を上げた。目の前に【氷塊】が飛んできていた。


「えっ」


 あたると思った【氷塊】は、溶けていくように綺麗に消えてしまった。


 何が起こったか分からなかった。皆が見ている。創も見たことないくらい驚いてる。香織は、、、笑ってる。えっ怖い。


「おい何があった!?」


 先生が騒ぎに気付いて駆け寄ってくる。


「分かりません」


「先生!何処からかわからないですけど【氷塊】が零に向かって飛んでいき、あたる寸前に跡形もなく、消えました」


 創が俺を助けるように説明をしてくれた。


「誰だ?零を狙った奴は!」


 その後も、誰も名乗りでることはなかった。


 一体誰が、そして、何で消えたんだ?


 俺もこの世界も何かが変わる気がした












「連絡がきた。作戦を開始する」

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