名がないはず≪イレギュラー≫の少年達 (2)

 何気ない会話をしながら登校し、気づいたらもう目の前は学校だった。校内に入り、周りの生徒はいつも通りざわめきだした。


「おい 見ろよあいつ」


「あれが噂の、、、」


 なんて声が聞こえてくる。まあ今では随分聞き慣れた会話だ。ていうか毎日毎日、、、飽きないのか?

「零 大丈夫か?」

 そんなことを考えていると創は心配そうな顔でこちらをみていた。

「ああ いつものことだ。もういい加減慣れたよ。」

「お前 ほんと大変だな。」

 まあその原因はお前のせいなのもあるけどなと悪態をつく。そして、タイミングよく


「なんで無能が創と一緒にいて平気でいられるんだろうな?」


「ほんとにねー」


 創は何もかも優秀だった。勉強、運動 、そして何をやらせても完璧だった。でも自分でいうのもなんだが、一応俺もそれなりできる自負はあった。ならなぜ?<無能>なのか。?

 それはあの<氷>が出現したことで生まれた、限られた恩恵のひとつである、まるで魔法のような力のせいだ。

 かいつまんで話すと体を操るように氷を出すことができるようになった。そしてこの力は≪創氷≫とよばれている。

 3年たった今、ほとんど人が氷を出現させることができる。そうしたなか、≪創氷≫は個人差があった。勉強や運動のように、この力は伸ばすことができることもわかった。そうしたことによって学校で≪創氷≫について教えられることになった。まあもうひとつ理由もある、 それは危険だからだ。こんな力を子供が制御できず振り回されたら、さすがにたまったもんじゃないんだろう。だからこういった理由から、学校で監視されながら授業を受けている。

 話を戻すけど、創は日本でもしくは、世界でも、類のみないほど才能があった。しかし、僕はこういった能力がまったく使えなかった。そうまったくだ。だからこの学校に来て、それをしられてからずっとこの調子だ。嫌といえば嫌だけど、別にこの力はあまり使いたいと思うことが出来なかった、、、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る