サクセスストーリー一寸法師
一寸法師は3センチ程度にしか成長しない小人少年の物語です。法師と言ってもお坊さんと言うわけではなく、男の子という意味合いの呼び方で法師となっているようです。おばあさんが産んだとなっていますが、40歳ちょっと。おばあさんというよりおばさんでしょうか。昔話の場合、平均寿命が違うので、現代のおばあさんとはちょっと感覚が違うのかもしれません。絵本によっては指から生まれたとされていたり、そこはちょっと違ったりしています。おやゆびひめと少し同類の香りがします。
小さいながら、川を下り、都へ行く勇敢な少年。刀のかわりに針を持ち、おわんを船にして旅に出ます。鬼と戦うのですが、小さいからこその戦い方をするのです。よく格闘漫画にあるような、鬼の腹の中で針をさし、相手がダメージを受けたところで外へ出ます。そして、お姫様に気に入られて結婚します。おじいさんとおばあさんも大きなお屋敷で裕福なくらしをするのです。鬼からもらった打出の小づちのおかげで大きくなり(180センチを超えたとなると当時ではかなり大きいと思われます)、小さいと気にしていたコンプレックスを吹き飛ばします。さらに打出の小づちから金銀財宝なども出すこともでき、これがお金持ちとなるきっかけを生みます。
無限に財宝が出るのならば、一生お金に困らないので、欲が出てしまって人間としてだめになったり、小づちの奪い合いが起きて不幸な事故になりそうな気がします。人間の貪欲さはとどまることを知りませんからね。
あら、なんだかシンデレラストーリーの逆バージョンみたいな感じになっていますね。男性が成功する話には、一寸法師ストーリーと名付けるのもいいのではないでしょうか。でも、ちゃんと戦い、自分でつかんだ勝利なので他力本願ではないのですが。
★解説
実は育ての親に気持ち悪いと思われ鬼退治に行くこととなったという説もあるらしいのです。それならば暗い香りもたちこめた鬼退治の話になるかもしれません。
★教訓
体にコンプレックスがあっても勇敢に立ち向かえば最後に勝利が待っている。正しい行いがするものには幸せが待っているっていうことです。
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