第3話 スキル

さて魔王なったが、これからのことは一度置いておくとして、やっぱりステータスだよな!!



異世界転生系のなろう小説なんて 暇な時があれば読み漁ってたよ!

主人公が一喜一憂する行動 それがステータス!!



せっかくの憧れの異世界なんだ。これをやらないと第2の人生が始まらないと言っても過言ではないぜ!




「ステータス!」



と、唱えてみた。すると……




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名前:

種族: 魔王 レベル: 1


【体力】: 1000 【MP】 : 1000

【攻撃力】: 500

【防御力】: 500

【素早さ】: 500

【運】 : 250


【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】


【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】

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目の前に半透明なパネルが浮かび上がった。




おおっ、なんか出た!!

なかなか強いんじゃ………ってちょっと待て……

なんだ【卵に負けし者】って!!

すごいはずのステータスが その一言で台無しじゃねーか!!



俺の気分はジェットコースターのように頂点まであがり、一気に急降下した。




これは他人には見せられないな………特にパンドラ…

魔王の威厳が一発で無くなってしまう……



そんな俺を心配してくれたのか、パンドラが俺に声をかけた。



「魔王様、どういたしましたか?」


「いや、なんでもないぞ?」



あぶない……顔に出てたか?

もう少しでバレるとこだった……



そこである疑問が浮かぶ。



ん?……待てよ?……

ステータスって他人には見えるのか?

そうだとしたらマズイんじゃ!!




「パンドラ、俺のステータスが見えるか?」


「ステー…タス??なんですかそれは?」


「いや、知らないならいいんだ。」


「???」




パンドラは不思議そうに首をかしげているが俺はそれどころではない。





この世界にはステータスという概念は無いのか?

いや、【鑑定】スキルがユニークスキル扱いになっているからそもそも鑑定を使える者が少ないのか。



それと名前の枠が空白になっているな。

名前を考えないといけないか。何がいいかな?

何か魔王っぽくかっこいい感じの……よし!




「それとパンドラ、俺は今から"ゼノン"と名乗ることにするよ。魔王ゼノンだ。」




とりあえず俺がよくソシャゲで名乗っていた名前にした。だってかっこいいんだもの。




「おおっ! かしこまりましたゼノン様! とても凛々しくお似合いの名前ですね!」




べた褒めだった。




よかった!…凛々しいと言われて少し照れるな/////

逆に "チーズ" と名乗っても褒められていたのかな?いや、やめておこう……これで微妙な顔でもされたら俺は自身を無くす……




そしてまだ出たままのステータスに目をやると、




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名前 : ゼノン

種族 : 魔王 レベル : 1


【体力】: 1000 【MP】 : 1000

【攻撃力】: 500

【防御力】: 500

【素早さ】: 500

【運】 : 250


【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】


【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】

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おっ!名前が反映されているぞ。

それと称号に目を奪われっぱなしだったが、残りのユニークスキルがどんなものかチェックしないとな。



このスキルの名前を押せば詳細が出るのかな?


あ、出た出た。どれどれ……




【悪食】

この世のあらゆる物を食べることが出来る。さらに状態異常にかかりにくくなる。




おおおっ!!!食べることを目標にしていた俺にとっては大当たりなスキルだな!

それに状態異常にかかりにくいなら、食あたりなども大丈夫そうだ。



鑑定は鑑定だと思うから、残りは【能力吸収】だけかな。名前からして強そうだが、果たしてどうか……





【能力吸収】

自身が食べた食材のステータスから一部のステータスを吸収する。さらに、その食材が保有するスキルをランダムで一つ吸収する。





こっちも俺のためにあるようなスキルじゃないか!!しかもこの2つのスキルの組み合わせ最高だろ!


人には食べれない物を食べることができ、なおかつステータスとスキルを吸収できる。


一度試してみたいな……

何か食べ物ないか頼んでみるか。




「パンドラ何か食べ物はないか?俺のスキルは食べた物の力を引き継げるみたいなんだ。」



「それはゼノン様に相応しい力ですね!今探してきます。」






……しばらくして……






「ありましたよ。アポの実です。」


「アポの実?」




なんだ?名前だけではわからんな…

そうか!こういう時こそ【鑑定】か!



鑑定を使ってアポの実を見てみると、半透明なウィンドウが表示された。




[アポの実]

比較的どこにでもできる果物。しゃりしゃりしておいしい。アポジュースにするとなおよし!




おおっ!説明書きが出るのか!これは便利だな。

得体のしれんもんを食べるのは抵抗があるからな。




とりあえず食べてみるか。




おっ、うまいな!っていうか見た目といい味といいこれはリンゴだな!



とりあえずステータス見てみるか。




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名前 : ゼノン

種族 : 魔王 レベル : 1


【体力】: 1010 ( +10) 【MP】 : 1000

【攻撃力】: 500

【防御力】: 500

【素早さ】: 500

【運】 : 250


【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】


【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】

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体力だけほんのちょっと上がってる!?


でもレベルは上がってないし、スキルも覚えてないな…


まぁ、リンゴ一個だもんな…



でも、リンゴ一個でもちょっとずつステータスが上がるのがわかったのが収穫だ。




そこで一つのある意見が浮かび上がった。






ひょっとして、これ………食べてるだけで最強一直線じゃね?





我ながらとんでもないチートスキルを授かってしまったなぁ。


けど、運のステータスが他と比べて少なかったからそこだけが不安だが……


まぁ、ここは地球じゃないんだ。どんな危険が待ってるかわからんが、強くなればなるほど怯えることなくのんびり出来そうだ。




さて、この2つのスキルを組み合わせてあらゆる物を食べて強くなっていきますか!



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