掃きだめ
「僕はうらやましいことだと思うけどな。対象が男に切り替わったわけではなくて加わる形なんだから、それは変化というより進化だ。一気に倍になる性的、恋愛対象。そんなに貴重なことはないと思うんだよ。ほらこのまま強情に女性だけ狙ったって、せっかくの心の機微を台無しにしちゃう可能性も否定できないよな。それって贅沢な悩みだと思うぜ?あんまり時間と心を浪費しないように気をつけなきゃ。ちなみに誰のことを言ってるんだ?」
「南・・・くんよ。まくられた袖から見える腕の筋、あの屈託のない笑顔、何か不思議な感じがするのよね」
そんな気はしていた。すると聞きなじみのある声が聞こえ始める。
「僕の名前と氏名が聞こえたんだけど、どうかした?それにしても最近暑くて、長袖じゃ嫌になっちゃうんだよね。」
そういって春樹は徐に袖をまくり胸元のボタンも少し開けた。
「いや、用があるわけじゃないんだ。このまえ勉強したろ?あの話だ。」
「なるほどね、好きな人とか好きな人の話でもしてるのかと思ったよ。あ、でも有紀ちゃんは女の子好きだから僕はだめだね。」
こいつほんとに気持ちが読めるんじゃないか??
読めちゃうんだよね、本当に。ほらいまだって有紀ちゃんの困惑してるココロ、恋情、色情、、ああたまんないよ。
「今日はもう帰らせていただくわ。ごめんなさい、時間をとってしまって。」
平静でいたくともいられないその顔、その声。ああたまらない。
「今日は義務じゃなかったの?てっきり義務だと思ってたから、義務だと思ってたよ。」
もうやめてあげてくれ。
「そ、そうだ春樹、購買でも行かないか?腹がへったんだ。」
僕はそういって春樹を連れ出した。
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