第4話 愛は彫刻

「東条くん、あのさ、一緒に勉強しようよ。君って頭が悪い上に頭まで悪いときた。困ったもんだよね。」


またこいつか、、二度言われなくても理解できると三度言っても理解してくれなかった、こいつの名前は南春樹だ。まったく失礼な奴でその自覚がない。けれども南の言葉には嫌みがなくあっけらかんとしているから、妙に心地よく暴言を受け入れてしまう。不思議な奴だ。


「おう、南。お前ってやつは僕の現状を知っているか?実はいま難題を抱えててな。勉強につきあってやれないんだよ、ごめんな」

「恋、有紀ちゃんのことでしょ?あれだけ脳を動かしてるなら勉強日和だと思ってさ。成績のために勉強は必要だし、勉強は必要だと思うんだよね。」

「同じことを二度言うな、、って言っても無駄か。南ってホントに人のことなんでもわかってるような口ぶりだよな。」


宇宙人か?なんて冗談は心にしまっておいた。それから僕はしぶしぶ教材を開き勉強を始めた。こいつには言葉にできない魅力がある。




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