とんでもねぇな。
家に帰ると母がいなかった。置手紙すらない。
人に買い物任せていなくなるとはこれ如何に。
とりあえずもう夕方を回ってお腹が減ってきているので野菜炒めでも作って寝よう。
ふと目が覚めた。カーテンが開いているせいで日光顔に当たっているのだ。
リビングからいい匂いがするので母がいるのだろう。
とりあえず洗顔がてらお風呂に入ろうかな。体がかゆい。
何だろう。妙に体が重い。湯舟に入っているととても心地が良いのか何なのか湯舟に顔まで浸けて上げたくない気分になる。
そのまま上がると体が多少は軽くなった。
「ふつう逆じゃないのか?」
などと独り言をつぶやきながら服を着、リビングに出ると・・・
そこには、昨日の木がいた。料理をしている。肉料理だ。
「おやおやニート君。わりに早い風呂だねぇ~」
思わず絶句した。目の前に極彩色、暴力の波動が全身を駆け巡る。
「大丈夫だよ。君の考えてることはここでは一切起きていないから。」
「本当なんだな?」
「もちろんこれ豚肉だし。」
とりあえず心を落ち着かせる。訳も分からずに混乱しているだけなのだと言い聞かせるのだ。
「どうやってここの家に入り込んだのか聞いていい?」
「ふつうに入ったよ?」
ドアの方を見る。
「あ。」
いつも母が鍵を閉めてくれるので意識していなかった。
「じゃ・・じゃあどうやってこの家を見つけたんだよ。」
「尾けた。」
「ストーカーじゃん。」
「いいじゃん人じゃないし。」
「木だもんな。」
「違うわ!!」
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