木ではないらしい
スーパーの角で出会ってしまった木の人といろいろあって今公園に来ている。
「まずいい?木じゃないんだけど、木に見える?」
「え?喋って動ける木じゃないんですか。」
正直当惑している。僕の目の前にいる生き物は木にしか見えない。だが本人は木じゃないつもりらしい。
「ん~他の人のことは普通に見えてるの?」
普通かどうかと問われれば、普通には見えていないのだろう。僕は人の顔がうまく見れない。仮面をかぶっているように見えているのだ。
一応親友や家族は仮面が付いているようには見えない。
まぁこれはこれとして、目の前の奴はそんなレベルに収まってない。何もわからない。仮面でもない。木なのだ。
表情はおろか、姿形すべてがヌルヌルと動く人型の木なのだ。
少しの間が開いてしまった。
「たぶん普通に見えてるよ。」
「たぶんに関して気になるんだけど?」
「とにかく、もう帰っていいですか?たぶん僕がおかしいだけなので。」
「え、ちょっと気になるんだけど。」
「帰ります。」
のっそりと重い体をベンチから上げ、そのまま帰ろうとすると、ヘンテコ生物はちょっと大きめな声を出して
「また明日この時間にここに来ますからね?」
と言い放った。
正直今までの生活よりも数倍面白そうな変なのを見つけたので行くかもしれない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます