僕の胸のしこり
あーとぶん
ベジタブルとフルーツと
僕を紹介するならば、”溶けている蝋人形”が最も近しいだろう。
わけあって高校を中退した後、何もしていない。できない。
朝起きて、ご飯を食べて、また寝て、夜にご飯を食べ、次の朝まで寝る。そんな一日だ。
ある日、母が僕に外出を命じた。お使いがてら外の空気を吸ってほしいんだとか。
寝るだけよりかは退屈しのぎになるだろうと思い、外出の準備をした。
久しぶりの太陽は、その日光が痛くて堪らなかったが、なぜか悪くはない気分にはならない。
空は思っていたよりもずっと蒼く、雲もまた、底の知れない白さを誇っていた。
そんな中、スーパーにたどり着き、言われていた野菜や果物を買い、会計を済ませ、外へ出る。
そんな中、スーパーを出てすぐの曲がり角で人にぶつかってしまった。上ばかりを見ていたから見てなかった。それにしても、やけにぶつかった頭が痛む。
そう思って前を見てみると、それは”木”だった。しかもまるで二足歩行の哺乳類の様に動いている。
ついに部屋に引きこもり過ぎて幻覚を見るレベルになったか。
「おっと済まない。君に気づかずに、歩みを進めてしまった。」
少し女っぽい声をして木はしゃべった。
「え、木ってもうすでに喋る時代になったんですか。」
「君は何を言ってるんだい?悩みがあるなら聞くよ。」
近くの公園に行った。
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