少し気になってることを
「ところで、
僕は、少し気になってることを
家庭に問題があり、そのストレスから椿に依存してしまった<
「うん。大丈夫だよ。今日もね、トモちゃんやクミちゃんと一緒に遊んだんだよ。そしたら
と応えてくれた。
それは本当に何よりだった。
その上で椿は言ったんだ。
「
なんだかとても嬉しそうに。
椿の学校では、コート内に残った選手が二人になって、その内のどちらかがボールに当たってしまうと試合終了というルールを適用してるそうだ。一人だけが残って、その一人を周りの人間達で集中攻撃するのが『残酷だから』という意見があったらしくて、一人だけを集中攻撃する形にならないようにということで今のルールになったらしい。
正直なところ、僕もそれは気にしすぎのような印象を受けるけど、そういう感覚が変わっていくのは人間の世界だけじゃなく吸血鬼の世界でもそうだから、変化していくこと自体は問題ないと思う。そうでなければ、ダンピールに対する誤った認識が改められないことになってしまうから。僕は、それは望まない。
『最後まで諦めない』
ということを重視するとしても、それは、
『残り二人になった時点で追い詰められている』
ことには変わりないわけで、そこから諦めずに逆転を目指すのであれば同じことだと思うけどな。
椿はさらに続ける。
「
そう言っている椿自身が身振り手振りを入れて話してくれる。そんな姿が本当に愛らしい。
外見上はもう、身長も僕と並んでしまった椿。きっとすぐに彼女の方が年上に見えるようになるだろうな。
吸血鬼でありながら人間の子を持つというのは、そういうことだ。それをちゃんと理解しているつもりだったけど、少し複雑な気分になってしまうのも偽らざる気持ちかな。
それでも、彼女が健やかに育ってくれるのは嬉しい。
これが、親としての喜びなんだなと、改めて感じるよ。
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