第18話 友達を拠点に招きました

「なんだ、このバカでかい家は……」


「畑も見たことのない広さだよ、これ全部ロジカのものなの……?」


「ああ、一応な」


精霊にテイマーにして貰って以来会ってなかった、パルマとノリスが俺の拠点に遊びに来た。




「すげぇ……凄すぎるだろ……」


パルマは俺の拠点の大きさに何度見ても見慣れない様な驚きを見せた。

俺にとっては今となってはこれが当たり前になったけど、一般的なテイマーだと、こんな拠点はできないだろうし、驚くのは無理もないのだろう。


「なんだロジカ、お客さんか?」


驚いているパルマとノリスの前にヤヨイがやってきた。


「「あっ!」」


パルマとノリスが2人でヤヨイを見て驚いた。


パルマが俺の下により、耳元で話しかけてきた。


「この女、ロジカと一緒にいきなりオーガゴブリンを倒したって子じゃないのか?」


「そうだけど……それが?」


「まさか、一緒にパーティ組んでるなんてな、っていうかすげぇかわいい子だな、羨ましいなコイツ!」


「ねえロジカ、他にも超有名ギルドに宣戦布告したんでしょ、なんだか大変なことになってるって聞いたよ、大丈夫なの?」


パルマ達はウワサ程度にオーガゴブリンを倒したことや、ソウルガンドとのやり取りのことを知ってるみたいだ。


たった2回しかクエストを受けてないのに有名人になってしまったのかもな……


「ロジカは喧嘩っ早いからな、私は振り回されっぱなしだ」


「逆だろ! ヤヨイに俺が振り回されてるんだ!」


「どっちもどっちです、2人とももっと落ち着いて行動してください」

ナイナも話に入ってきた。

ヤヨイとどっちもどっちって言うのはちょっと引っかかるぞ……


「おい、またかわいい子が来たぞ、ロジカ、この子は誰なんだ?」


パルマとノリスは俺のまわりの一つ一つに過剰に驚いていった。

今の生活に慣れてしまっていたけど、やっぱり俺普通じゃないのかな……


俺達は家の中のリビングに移動した。

パルマは再開してからずっと興奮してる。


「どうぞ、うちで作ったお肉と野菜です」

ナイナは焼いた肉と、とれたての野菜をテーブルに置いた。


「えっ、こんなものまで作ってるのか?」


「あぁ、肉は最近作れるようになって研究中らしいけど、それでも高級ブランド肉並みにうまいんだ、ナイナは凄いんだぞ」


パルマは肉と野菜を一心不乱に貪った、


「うめぇ! なんだこれ、めちゃくちゃ旨いぞ! なんでこんないい生活してるんだよロジカ!?」


「食事はうちの自慢なんだ」

これだけは自信持って言える!

ナイナはちょっと恥ずかしそうだけど。




「いやぁ本当にすごいなロジカ、こんな差を差をつけられちゃうなんてな!」


「偶然だよ、仲間のお陰でなんとかやってこれただけだしな」


「俺なんてようやくEクラスのクエストがある程度達成できるようになってきたところだぞ、ロジカはいきなりCクラスだもんなぁ」


「ははは……まぁあれは、ハプニングもあってさ」


「パルマはまだすごいよ、私Eクラスをクリアできたのもついこの前だよ……」


パルマとノリスが特別遅れてる訳じゃないだろうから普通にテイマーをやってクエストをこなしていると、大体今の2人くらいのクラスにいるのが妥当ってところなのかな。


それよりも俺には気になってることがあった。

「2人はさ、どんなモンスターをテイムしたんだ?」


「俺は今はEクラスにいたマウスマンをテイムしてメインで育ててるぞ」


マウスマン、グローブをつけたネズミのモンスターでボクシングをするように相手に殴りかかっていくのを得意とするインファイトが得意のモンスターだ、なんだかパルマらしいモンスターをテイムしたな。


「私ははじめにテイムしたスライムをずっと育ててるの」


「スライムか、かわいいモンスターをテイムしたいっていってたノリスが意外だな」


「ふふ、一緒にいると可愛いいんだよ、今じゃすごく懐いてくれてるんだから」


ノリスの趣味、独特だな……

あんな、ブヨブヨして、気味の悪いスライムが可愛いなんて……ノリスならそのうちリボンとか付けだしそうだ……


「ところで、ロジカはモンスターはテイムできたのか?」


あっ……


◆◇◆


「へぇぇぇぇ、この女の子達をテイムしたってのか?」


「ロジカはモンスターじゃなくて、女の子がテイムできるようになっちゃったってことなの?」


ついにパルマ達に打ち明けてしまった。


「私達はロジカにテイムされてたのか……」


「ヤヨイはともかく私はモンスターではないですよ」


ヤヨイとナイナにもちゃんと言ったことがなかった……

別に隠してた訳じゃないんだけど、今まで言い出せなかったんだよな……


「ごめん、もっと前に言っておくべきだったんだけど」


「私達の能力が上昇したのもロジカさんのお陰なんですよね?」


「そうだ、と思う……ヤヨイをテイムしたときに気づいたんだけど、俺がテイムすると能力が上がるみたいなんだ」


「だからだったんですね……」


「私ははじめはあまり実感なかったけどな」


知らないうちに勝手にテイムして、ヤヨイもナイナも怒るのかと思ったらそうでもなかった。

こんなことなら素直に初めから言っておけばよかったな。


「ねぇロジカ」


ノリスが話しかけてきた。


「女の子をテイムできるってことは、私もテイムできるってこと?」


ノリスはサーチウィンドウが一番最初に表示された俺が普通のテイマーとして変だと思ったきっかけになったの女の子だ。

もちろん、条件が揃えばテイムできると思うんだけど。


《スカウトサーチを使用します》


ノリスにサーチウィンドウが表示された。

ウィンドウは赤い色をしてる。


テイムできる候補ではあるけど、今すぐテイムはできなそうだ。


「うーん、今はテイムするのは難しいかもな」


「そうなんだ、能力上がるならテイムしてもらおうと思ったのになぁ」



「テイムなんてされたらダメだ、ノリス!」


パルマが急に怒りだした。


「えっ、そうなのかな……」


「確かにロジカの能力はすごいけど、それに頼ってたら自分の力じゃ無いだろ」


パルマは家から出て行こうとした。


「パルマ、急にどうしたんだ?」


なんか急にパルマの機嫌が悪くなった、どうしたんだ?

帰り際にパルマが俺に振り返った。


「今は差をつけられてるけどな、俺はいつか自分の力でロジカを超えるテイマーになってみせる」


そういうとパルマは家を出て行った。


「もう、パルマ、急なんだから、待ってよ!」


ノリスもパルマを追って家を出て行ってしまった。


パルマとノリスが家からいなくなった……

こんな形で久々の再会が終わってしまうなんて……


「いいのか追わなくて? 友達なんだろ?」


「久しぶりに会ったのに複雑なお別れになっちゃいましたね……」


パルマはいつも俺より優秀で前にいく奴だからプライドが傷付いたんだと思う、今は追うよりまた会うのを楽しみにした方がいいような気がする……


でもパルマのことだ俺が驚くようなモンスターをその内テイムして自慢しに来るだろう。




「キャァァァァァァ!」


家の外から叫び声がした。


この声はまさか、ノリスじゃ……


「今のはロジカの友達の声じゃないか?」


「わからない……」


俺達は急いで家の外に出ると。


唖然とした表情のパルマが立っていた。


だが、ノリスが見当たらない、ノリスはどこへ行ったんだ?



「急に……モンスターがすごい速さでやってきて……」


パルマが放心状態で話す。


「パルマ、それでどうしたんだ?」


「一瞬だったんだ……そいつに……ノリスが攫われた……」

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