第3話 イチゴの隣の席
高校初めての休日が終わり、今日は登校日だ。
それにしても入学式の日も今日も隣の席はあいたまま。欠席してるんだろうなと思ったが、何か気になる。隣の席の人を知っているかもしれないからももちゃんに聞こう。
「あの、ももちゃんおはよう! 」と挨拶をした。すると、いつもの明るい雰囲気で、
「あ、いちごちゃんおはよう! 昨日はありがとう」と、言ってくれた。
「私こそ、昨日はありがとう! あの、私の隣の席の人って知ってる? 」
と聞くと、
「あー、しゅうたのこと? 私の幼馴染でね、よく学校とか一緒に行ってたのに、高校の入学式の時から来ないの」と悲しい顔をしていた。
「あー、そっか。何かごめんね。そのしゅうた君? 来るといいね! 」と言った。
「ウフ、そうだね!っていうか謝らなくてもいいのに!」と言ってくれたが、ももちゃんの悲しい顔を見ると、昨日のように元気なももちゃんじゃないみたいで私も悲しくなる。
ガランと教室のドアを開ける音がした。見たことの無いいかつい顔の男の子が来た。そして、前の黒板の表を見てから私の隣の席に座った。
「しゅうた! おはよう! やっと来てくれたの? 心配したって 」っとももちゃんが喜んだ顔をして男の子に話しかけた。
男の子が「当たり前だろ、留学したくねぇし!」と言い2人は会話をしていた。
(もしかして...そのしゅうたって人は...この人...。)するとももちゃんが、
「あのね、私の新しい友達なの!宮田いちごちゃんだよ!」と私を紹介した。私は怖かったので、
「あ、ああああの、よろしくぅ!!! 」と言った。すると男の子は笑った。
男の子の名前は、山田しゅうた。見た目はとても怖くて誰も近寄れない人みたいだったけど、話してみるととても優しい人だ。
ももちゃんがある提案をした。
「いちごちゃんの家私たちと同じ方向だよね?昨日帰る時いちごちゃんを見たから 」と言ってきた。何なのか分からない私は、
「うん、ももちゃんの家と同じ方向だね! 」と返すと、
「だったらこれから3人で帰らない?その方が仲が深まるし、楽しいし! 」とももちゃんは言った。それから3人で一緒に帰るようになった。
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