第11話 Bleu Nuit

 ________Bleu Nuitブルー・ニュイ



              by. 碧




蒼さんの過去の話は私が思っていたよりも、もっと辛く悲しいものだった。


そして、それと共に自分の胸の痛む理由にも同時に気がついてしまった。


“私は、蒼さんに恋をしている”


過去の話を聞いていて、私が思った事は、梨花さんに向けられたであろう想い

を自分にも向けて欲しいということだった。


あの作業部屋で見た梨花さんの画は、慈愛と憂愁が混在していて、それは、私の

胸を酷く締め付けるものだった。



私は、自分の部屋の窓から日が暮れ、夜に染まり始めた空を見上げながら、叶わ

ぬ想いを噛み締めていた。





その夜、私は不思議な夢を見た。



光の届かぬ暗い海の底・・・そこから、私を呼ぶ声がする・・・。


私は必死にその声に逆らうように海の底から逃げていた。


だが・・・気がつくとその声は私の耳元で何かを囁く・・・


その瞬間、私は激しい渦に飲み込まれてしまった。


激しくグルグル回る視界・・・



そして、私は透明な泡となって消えてしまった・・・。




激しい動悸と眩暈にも似た気持ち悪さで、目が覚めた。


身体中の毛穴から出たんじゃないかと思う程、酷い汗をかいていた



あれは・・・夢・・・


イヤにリアルな夢だった・・・。



でも・・・私の中には不思議とある確信があった。



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