第23話 進展
人間は無力だ、一人でできることは少ない。その無力さを埋めるために集団行動を
とる。事実私も一人ではアニメの世界のように巨大なオーガの振り下ろす全長5mの刀を受けるどころか、受け流すこともままならず切りつけられた。
幸い様子を見に来た戦車隊が運んでくれたことと、瞬発的に体を引いて浅くはないが致命傷は避けられた。
「実夢ちゃん起きた?」
薄目を開け最初に視界に入ってきた桜のうれしそうな悲しそうな顔。
そしてまた意識は暗闇へと落ちていく。
「おい、こっちでいいのか?」
「さぁ、わからんこっち側が一番魔物少ないからなぁ。」
魔界から戻った勇者一行はイヌルとはずれて北側の塹壕戦手前7km地点にいた。
「てかさ、さっきからめっちゃ凄い音しね?王都が何か所か爆発してるしよ。」
奏太は疑問を問いかける、
「知るか、でもこの先に何かあるのは確かだな。」
「まて!何者だ!」
近くの叢から銃をもった人が出てくる。
「勇者だよ、それより何してんだこんなところで。」
「勇者?名前を訊いても?」
「俺は蓮だ、こっちは奏太。その後ろの冒険者は一応俺の兵隊だな。」
「そうでしたか、それはご無礼を。」
深々と礼をして謝罪の言葉をのべる謎の人物。
その正体を訊くために奏太が口を開く、
「それより、お前はナニモンだよ?」
少し警戒する勇者一行。
すると、
「はい!私は北方方面軍塹壕線第二防衛歩兵部隊偵察班に所属しております。
ウェイルズ、准尉です。」
「........うん?王国の軍隊に銃なんてあったっけ?」
確か王様の衛兵みたいな人達はみんな槍か剣しか持っていなかった。
「以前は在りませんでしたが、アカサカ様が銃というものを開発して今はこのように王国の軍を全て統括しておりますのでほとんど全員の兵が所持しているはずです。」
「まって?いまアカサカって言った?」
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