第20話 殲滅
部屋を出てからはずっと、鍛冶屋のおっちゃんのところにいた。
ある兵器の完成を待っている。
「ほれ、できたが...こんなもん作ってどうするんだ?」
「え?あいつらを殲滅するためだよ。」
「嬢ちゃんらしくねぇぞ?」
「桜を傷つけた罪は重いからね。」
「はぁ、2,3年くらい前にお嬢が俺の店来たときは14、5歳だったのが今じゃ別嬪さんか...サクラ嬢も大きくなったしなぁ。時が流れるのははえぇなぁ。」
しんみり呟くおっちゃんをよそに私はつぶやく、
「これさえあれば...」
「ん?どうしたお嬢。」
「あぁ、何でもない。あ、そうだこれさ30丁くらい作って欲しいんだけど、
いいかな?」
「いや、まぁ構わねぇよ。お嬢はうちのお得意さんになっとるからな。こっちに呼んだのもお嬢だろ?」
「まさかおっちゃんがこんなに作れる腕を持ってるって知らなかったら
呼んでないよ(笑)」
「がははははは、そうだなぁ。また要望どおりに作らんとなぁ!」
腕まくりをして工房に入り弟子たちに威勢の良い声をあげる。
変わらないなぁ。
さてこちらはこちらでやることがある。アンデットの襲撃で城壁は崩壊したが、バリケードと魔導士、魔法課部隊の活躍で何とか現状を保っているが時間の問題でもある。絶対数の差が激しいのだ、アンデット側は疲労を知らないがこちら側は交代での防衛戦であり、人員も限られているため厳しいのだ。
実際包囲されそうな方面もあるのだ。塹壕線にいる部隊の7割を大至急で戻らせているが到着に早くて4日それまでの辛抱ではあるが、それは私が許さない。
桜を傷つけた罪は重い。
「北門通りの部隊は4ブロック後退して後衛と合流して防御戦、私が前に行くから漏らした敵の排除。」
「アカサカ閣下!無茶です!お戻りください!」
「これは命令だから...」
命令の一言を聞いた瞬間誰も何も言わず後退した。
今ではありがたい行動ではある。
「さて、刀なんて使わないと思っていたんだけどなぁ。」
わかったことは何故か霊体のアンデットは燃えるということ。
「燃えやすいなら燃やせばいいからね、そのための火炎瓶と榴弾グレネードランチャー。」
グレランの弾は3発しかない、重いのだ。火炎瓶も腰に8本。霊体のアンデットの脅威度はものすごく低い、なにせ驚かすような脅威だ。なかには人と友達になっているものまで...。一番の厄介者は指揮官らしきオーガ6体とオーク3体、周りの
ゾンビは戦車でひき殺してもらえば良い。
「ということで、第5中戦車隊突撃開始、砲兵課砲撃開始。」
威勢の良い返事のあと砲撃音が後ろから轟きすぐ後に目の前が耕される。
「さて、行きますか。」
使う予定がなかった刀と火炎瓶を手にゾンビの大群に突っ込む。
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