第15話 ちょっと残念な勇者
英雄召喚1人目の田辺 奏太(タナベ カナタ)は一人深い森林の中にいた。
実はこの森は魔界の門の向こう側なのだ。
宮廷大魔導士に複製させてもらったものだ。
何をしているかというと。
「あんな奴らなんか、俺一人で十分だ!・・・・・・・」
ゴブリンの群れの前でイキり立っているのだ。
実際蓮にはその力は十分なのだが、思考能力が足りないのだ。
だから、情報収集というよりも自分の位置と動きを敵に伝えて
しまっていた。
「なんで斬っても斬っても減らないんだよ!畜生!」
火魔法を使いながらゴブリン達を葬る。
それもそのはず。そこには奏太を消すためだけに千をこえるゴブリン、オークが
いるからだ。
「あぁ、なんかデカいのもいるしよぉ!」
「ひひひひひひひひひ、一人ではこの数は骨が折れるだ。」
「あ?そんなわけねぇし!」
「はぁ、まったく。やっと追いついた。」
「おせぇんだよ。蓮!」
齋藤 蓮(サイトウ レン)外見の通り盾と槍を持った重装歩兵である。
「仕方ねぇだろ?兵隊達が疲れてんだから。」
「そんな奴らいなくても俺だけで十分だっての!」
蓮がまともだったおかげで奏太は助かっていた。それに蓮には少ないが王都で兵を
集めていた。兵と言っても冒険者であるが。
「カナタさん、一人で突っ走ると死ぬっすよ?」
剣を携えた冒険者が言う。
「うるさいうるさい!」
そんなかんじで未だ複製された門からまだ4キロしか進んでいなかった。
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