第8話 本格的な襲撃

そんな訳で王都や近くの町や村からの志願兵が絶えず歩兵は中隊規模250名、砲兵2個中隊規模400名、中央隊20名、憲兵隊30名、偵察隊10名、水軍60名安宅船1隻と

戦列艦2隻に、運河巡視艦スループ1隻と、戦力的には十分である。その代わり、34番隊が王都に帰還してしまった。今はコンクリートの素材を集める遠征隊に指示を出していた。


「アカサカ様!巡視艦より赤旗!」


「わかった。よし!遠征隊は直ちに出発して!」


遠征隊を出撃させ、防衛指示を出す。


「沿岸防衛用意、砲門開け!、歩兵4・5小隊は南門警備、その他小隊は門を中心に外壁上からの警備を!」


テキパキ動く兵を見ながら何かが足りない気がして落ち着かない。


「実夢さん、どうしたの?」


「あぁ、桜ちゃん。いや、何でもないよ。桜ちゃん南門の指示お願いできる?」


「うん、わかった。」


わたしは、中央隊と臨戦態勢で待つ。

砲撃音が遠くで響く。迫撃砲だから、効果は絶大だと思うんだけどなぁ。

橋も壊してあるし。


「西門より、緊急!ウルフ、ゴブリン、トロールが多数侵攻!」


「え!?」


西からの襲撃、別の海岸から、上陸して、裏を取っていたと。

まさか、あのゴブリンの小規模な襲撃は、こいつらの上陸を隠蔽するため?


「西門、戦闘用意!中央隊、西門に向かうよ!」


西門に着いた時には、カノンが火を吹いた。

魔物達が吹っ飛ぶ。でも数が多すぎる。


「歩兵、射撃用意!」てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


セミオートライフルの連射音が響き渡る。弾も十分にあるから対処はできそうだ。


「アカサカ様ぁぁぁぁぁぁ!ひ、東門に飛竜が!」


「へ!?飛竜?」


あ、対空火力がこの要塞村には無い。ここは異世界、飛竜くらい居ることを

考慮してなかった。


「迫撃砲で何とかできない?」


「ですが、ゴブリンなども多数おりますが」


「それは、君たちの持っている銃でなんとかできるから!」


「はい!申し訳ありません」


対航空戦の訓練を忘れていた・・・これは大失敗だ。

竜の鱗は砲弾で抜けるのか?それを確かめるために東門へ走る。


「西門はそのまま防衛してて!」


東門は酷いありさまだった。飛竜のブレスで外壁に穴が開き、カノンも何門か

破壊されていた。


「アカサカ様!砲兵半壊いたしました!申し訳ありません。」


「今はそんなこと言ってらんない、敵地上戦力は?」


「地上戦力はほぼ壊滅、撤退中です。」


「じゃぁ、歩兵隊も飛竜を狙って!」


撃ってみても飛竜の鱗にはじかれているようだ。

カノンは山形弾道だから当てづらい。

でも当たっているあたり兵の練度は私の予想を超えていた。


「グルゥァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」


痛がっているようだ、翼に穴空いたし。

しかし、地上に降りても脅威だった。


「ブレス⁉みんな退避ィ~!」


退避指示が早かったため被害は残りのカノン砲を破壊されるにとどまった。


「砲が・・・。」


兵たちが落胆する。が


「カルバリンとか残ってる砲はある?」


「カルバリンはあと4門ありますが、射程が。」


そうだった・・・、他部隊から借りるしかない?いや、


「中央隊本部に2門ある取りに行くよ、歩兵隊は継続的に射撃!」


「その必要はないですよ、実夢さん!」


「え?」






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