始まりは何処でしょう?

 どうしても瞳が開かない。それならどうすればいいのか、俺は知っている。

 力とは何か、弱者とは何か。

 何を犠牲にしても進んでいく自信と心。俺はそれをお前に望みたくなってしまった。

 まあ、いざとなったらこれを使えばいい、という代物を置いてきた。

 まさかあんなところに奴がいるとは、と俺でも驚くような駒。

 有里のお爺様、新田一郎が残したのは、何も日記と磁石だけではない。

 あの方の天才性を、俺が証明してみせよう。


 僕は何者なんだろう。

 何をして生きればいいのか、小さな頃からずっと周囲は言ってくれているのに、僕はそれじゃなくて、ある人が笑ってくれればそれでいい、と思うようになった。やっと消えたと思ったのに、何故また僕の人生で銃声がするんだ?

 誰が裏で糸をひいているのか、まああいつは単なるお人好しだろう。それでもどちらにいるのか、よく分からないな。僕も、あいつも。


 僕に色はない。ただの白であれと言われて育ってきた。でも、僕の色は僕自身で決める。あいつらになんて任せられるか。来るならこい。相手になってやる。攻撃的すぎると、あの人は笑って言っていた。あいつは、何であんなに綺麗に生きられるんだ。僕は、あいつにだけは勝てる気がしない。透明で、誰もいないような、でも、僕にとっては絶対必要なんだ。お前がそうしたいなら、一緒にいってやるさ。



 平和を、絶対に取り戻してやる。


 人生を、絶対に取り戻してやる。


 重力を、絶対に取り戻してやる。



 そうすりゃみんな、幸せになれるだろう。本物の平等というものを、あいつらに見せつけてやろう。



 私は、何をしにここにいるんだろう。どうして、地にしかいられないんだろう。

 他の皆と違って、宇宙に出ると、私は死んでしまうらしいのだ。

 フワフワ漂う皆はとても自由そうで、羨ましい。俺にも、その力、分けて欲しいのに、どうして俺に出来るのは、力で解決のみなのか。

 多分あの兵たちも、俺と同じなんだろう。

 どうしてこんなことしなくちゃいけないのか。答えを探すには、今の場所は居心地が良すぎる気もするが、まあいいじゃない。最後くらい、楽しい思い出、作りたいんだもの。

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