第一章18 《蛇足「その①」》
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四夜が「暇だ!」と五月蝿いので、学校の保健室の天井からぶら下さげられてい
たブラウン管を勝手に付けていると、そこそこビッグなニュースが流れ込んで来た。
『先ほど
何処かで見たことのある気がするその女性キャスターは右を向くと、ニュースに出演していたとある男性を指名した。
『さて、スタジオには法務省大臣の秘書官を務められていた実績もある政治評論家の
『宜しくお願いします』
『では早速ですが今回の辞任表明について、どのようにお考えでしょうか?』
『総予算審議に入る前に予算編成時の首相が辞任するのは極めて異例の事態であります。国民の多大なる期待を背負って………………』
ブラウン管の中でスーツを着込んだ三十路程の男性が話しているさなか、四夜は退屈そうにベッドの上で体を伸ばしていた。
真っ白なカーテンで仕切られたベッドが3つ程点在しているだけの簡素な保健室だが、俺達を除いて現在は誰も居ないのでくつろぎ放題だ。
「テレビも良いけどお昼ご飯はどうするのよ。私お腹空いた」
「四夜って奴は……さっきまで倒れてあんな怯えてた癖に。」
全く……厳禁な奴だ、とそうおもっていた矢先。
四夜は隣のベッドから枕を引っ張り出すと、隣で座っていた俺の顔面に思い切り投げつけて来たのだ。
「ブハッ! な……何するんだ四夜!」
俺は自身の顔面に貼り付いた枕を退かすと……目の前には頭まで掛け布団を被って隠れていた四夜がいた。
頭の辺りからちょこんと布団を掴んでいる指先が見えるのは、何と言うか四夜の性格を表してる様な気がする。
「何やってんだよ四夜……。そんなに恥ずかしがらなくても」
「うっさい、バカ! さっさと食べ物寄越しなさいよね!」
確かにもうそろそろ学園のお昼休憩も終る時間帯だ。
言われて見れば俺だってお腹が空いている。
このままだと何も食べずに残りの時間を過ごす事にはなるが……。
「財布とか教室に置いて来ちまったよ。それにこの時間じゃ購買も開いて無いだろ」
尚も四夜は布団に隠れたまま、くぐもった声で呟く。
「何とかしなさいよ。それと……さっきの事を思い出したら死刑だからっ!」
「せめて布団から顔を出して言いやがれ。思い出すなって言われても……」
この何とも言えない微妙な雰囲気を見事にぶち壊してくれたのは、やはりあの先生だった。
「やぁヤァ諸君ッ! 元ッ気してたかな~♪」
「元気にしてたらこんな所に居ないです」
ガラガラと音をたてて、その口から流れ出す騒音と共に入ってきた浅倉先生。
その片手には何かを入れたコンビニ袋と、生徒名簿をぶら下げていた。
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あとがき
え~と……本当に有った出来事(事件)とは言え実際の名前や会社名を使えないのはご容赦下さい( ノ;_ _)ノ
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